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掘り上げ田(ほりあげでん、ほりあげた)は、穀物を栽培するために湖沼などを開発した農地をいう。 == 概要 == 注意:掘り上げ田・掘り潰れ・堀田についてそれぞれの地域により表記法・発音が異なっており、下記ではその折を併記する。 掘り上げ田(掘上げた、掘上田、堀り上げ田、堀上げ田、堀上田) 主に江戸時代、湖沼であった場所を新田開発し生み出された水田である。開発の手順としては、湖沼である場所において土を盛る場所、土を取るために掘り下げる場所を交互に設ける。こうして土を盛り高くした場所を水田などにして利用し、低くなった場所を悪水路または用悪水路(用水路兼排水路)として利用する。このように水田と水路を交互に設ける特性上、おのずと掘り上げ田は細い長方形、または短冊形になりやすい。また掘り上げ田で作業をする際の移動手段として舟なども用いられた。主なものとして当時江戸幕府の天領であった武蔵国東部(現在の埼玉県東部)や岐阜県南部の輪中のものなどが挙げられる。地域により掘り上げ田は「ほっつけ」(掘付け)と称されることもある。なお、掘り上げ田を開発する以前の湖沼・沼沢地には周辺からの水路が流入していることも多く、それらは「附廻堀」として掘り上げ田の造成時に併せて再整備されていることが多い。 掘り潰れ(ほりつぶれ:掘潰れ、堀潰れ) 上記の掘り上げ田を開発する際に採土のため掘り下げられ、水路などになった場所のことをいう。この掘り潰れではかつて湖沼であった掘り上げ田の特性上、時間の経過とともに掘り上げ田より土が掘り潰れへと流れ堆積し、水路が浅くなるなどの弊害も起きていた。そのため定期的に掘り潰れより掘り上げ田へと土を盛り直す作業(のろ上げ、ノロ上げ、ノロアゲ)が行われていた。掘り潰れに堆積した土は、その場所が沼などであったことから比較的養分に富んでいたので、土を盛り直す作業は施肥の役割も兼ねていた。この掘り潰れではウナギなど水生生物の生息地ともなっていた。 堀田(ほった、ほりた) これら「掘り上げ田」と「掘り潰れ」をあわせた総称として用いられる語句。堀田を参照。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「掘り上げ田」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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