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ホパノイド : ウィキペディア日本語版
ホパノイド

ホパノイド (Hopanoids) はホパン骨格を持つ天然の五環式化合物である。トリテルペノイドとして知られた最初の化合物であるヒドロキシホパノンは、ナショナル・ギャラリーの2人の化学者が絵画のニスとして用いられるダンマル樹脂の研究中に単離したものである。ホパンという名は、この樹脂が得られるフタバガキ科の 属から取られた(属名は植物学者ジョン・ホープに由来する)。だがその後、ホパノイドは真正細菌やその他の原始的な生物にも大量に含まれることが明らかとなった。石油貯留層からも多様なホパノイドが発見されており、バイオマーカーとして用いられている。古細菌からは発見されていない。
== 機能 ==
ホパノイドは細菌の細胞膜において、脂質ラフトの形成のほか、細胞膜透過性・剛性・流動性など様々な性質を調整している。真核生物では、ステロールが似たような機能を担っている。この生化学構造と細胞機能の関係は、細菌の細胞膜で見られるホパノイド化合物であるジプロプテンと真核生物の細胞膜で見られるステロール化合物であるコレステロールの構造の類似性に見ることができる〔。多くの細菌でホパノイドは、細胞膜の透過性を調整し、極端な環境条件に適応させるのに重要な役割を果たしている。土壌細菌ストレプトマイセス属の空気中の菌糸では、細胞膜から空気中への水の損失を最小限にしていると考えられている。フランキア属細菌において窒素固定を行う diazovesicle という器官では、脂質二重層をより引き締め、酸素を透過しにくくすると考えられている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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