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木馬(もくば)は、木で作られた馬、特に子供のための玩具として作られたものを指す。馬を模した玩具は紀元前から存在するもので、また世界中で広く例が見られる。玩具としての「木馬」は、子供がその背にまたがって後に揺らして遊ぶもの(、揺り木馬)と、長い棒の先に馬の頭をつけ、棒の部分にまたがって遊ぶもの(、棒馬)の二種類に大別されるが〔『続・玩具の系譜』 259頁。〕、揺り木馬のように全体が馬の形をしたものでも前後に動かないもの、車輪がついていて引っ張って遊ぶものなどもある〔「木馬」 『ブリタニカ国際大百科事典』第22巻、ティービーエスブリタニカ、1991年(第2版改版)、452頁。〕。 == 揺り木馬 == 子供が背に乗って揺り動かすための木馬は、木製の玩具としては歴史的に最も古いと考えられ〔『玩具の系譜』 67頁。〕、その源流は紀元前5世紀までさかのぼることができる〔。玩具史家アントニア・フレーザーによれば、この頃のギリシャの政治家・軍人アルシバイアデス(紀元前450年 - 同404年)なる人物が、自分の子供にまたがって遊ぶための木馬を与えているという。同時期の古代エジプト・オキシリンコス遺跡からも木製の馬が発掘されており、もともとは車輪が付いていたものと推測されている。紀元500年にはイギリス、フランス、ドイツ諸国に木馬があったが、これには地中海世界を広く征服したローマ帝国の遊戯文化が背景をなしていると考えられる〔『続・玩具の系譜』 258頁。〕。 戦士や兵隊への憧れもあり、木馬は中世から近世にかけても子供に人気のある玩具であった〔『続・玩具の系譜』 260頁。〕。現在よく見られる、弓形の台に乗ったタイプの揺り木馬は、19世紀初頭のヨーロッパにおいて広く用いられていたものである〔芳井敬郎 「木馬」 『日本大百科全書』第22巻、小学館、1988年、849頁。〕。こうした木馬の生産は、19世紀半ばから工業化され大量生産されるようになった。 日本においては武士の子弟が乗馬の訓練を行うための木馬が古くから存在しており、戦国時代の武将・武田信玄が、その幼少期に自分の木馬に取り憑いた物の怪を退治したという伝説もある〔『日本人形玩具事典』 453-454頁。〕。この種の木馬は厚板で作られており、手綱や鐙をつけ、これを使って鞭の当て方や乗り降りなどの練習をした〔〔。鞍を掛けておく道具としても用いられ「鞍掛」と呼ばれている〔。このように乗馬を習うために木馬を用いる例は中国にもあったという。上述のような揺り木馬が入ってくるのは明治時代であり、当初はもっぱら上流階級の家庭で用いられていた〔。 2014年現在、ギネスブックには世界最大の揺り木馬として、イスラエル・カディマのOfer Morという人物によって制作された、長さ7.6メートル、幅3.22メートル、高さ6.10メートルの巨大木馬が登録されている(2010年登録)〔"Largest rocking horse " ''Guinness World Records'', 2014年6月17日閲覧。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「木馬」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Rocking horse 」があります。 スポンサード リンク
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