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ボルバキア
ボルバキア (''Wolbachia pipientis'') は節足動物やフィラリア線虫の体内に生息する共生細菌の一種で、特に昆虫では高頻度でその存在が認められる。ミトコンドリアのように母から子に伝わり(遺伝し)、昆虫宿主の生殖システムを自身の都合のよいように変化させる(下記参照)ことから、利己的遺伝因子の一つであると見なされている。 == 歴史 == 1924年にMarshall HertigとS. Burt Wolbachによってアカイエカ(''Culex pipiens'')から発見されたこの細菌は、1936年にHertigによって正式に''Wolbachia pipientis''と名付けられた〔Hertig M & Wolbach SB (1924) "Studies on Rickettsia-like microorganisms in insects". Journal of Medical Research 44: 329–374.〕。その後ほとんど注目されることはなかったが、1971年にアカイエカにおいてボルバキアによる細胞質不和合という現象が発見され〔Yen JH & Barr AR (1971) "New hypothesis of the cause of cytoplasmic incompatibility in Culex pipiens". Nature 232: 657–658.〕、1990年には''Trichogramma''属の寄生蜂においてボルバキアによる単為生殖化が発見された〔Stouthamer R, Luck RF & Hamilton WD (1990) "Antibiotics cause parthenogenetic Trichogramma (Hymenoptera/Trichogrammatidae) to revert to sex." Proceedings of the National Academy of Sciences, USA 87: 2424-2427.〕。それ以来、この細菌が宿主に対して引き起こす様々な現象や、それによる進化学的影響が研究者の興味を惹きつけている。 ロンドン大学インペリアル・カレッジを含む研究グループは、デング熱の感染に耐性を示すかボルバキアの2種類の株を使って、デング熱のウイルスを含んだ血液を吸わせたネッタイシマカで実験を行った。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ボルバキア」の詳細全文を読む
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