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ポセイドーン()は、ギリシア神話の海と地震を司る神である〔マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル 『ギリシア・ローマ神話事典』 大修館書店〕。イオーニア方言系ではポセイダーオーンとも呼ばれる。最高神ゼウスに次ぐ圧倒的な強さを誇る。海洋の全てを支配し、全大陸すらポセイドーンの力によって支えられている。怒り狂うと、強大な地震を引き起こして世界そのものを激しく揺さぶる。また、地下水の支配者でもあり、泉の守護神ともされる。エノシガイオスという名もある〔。日本語では長母音を省略してポセイドンとも呼ぶ〔。 == 概説 == ゼウス・エナリオス(海のゼウス)と呼ばれるほどポセイドンの地位と実力は高く、その支配力は全物質界に及んだ〔フェリックス・ギラン 『ギリシア神話』 青土社〕。ティーターノマキアーの際にキュクロープスから贈られた三叉の矛(トリアイナ)を最大の武器とし、これによって大海と大陸を自在に支配する。これを使えば容易く嵐や津波を引き起こし、大陸をも沈ませることができる上に、万物を木端微塵に砕くことができる。世界そのものを揺さぶる強大な地震を引き起こすことも可能で、そのあまりの凄まじさに、地球が裂けて冥界が露わになってしまうのではないかと冥王ハーデースが危惧したほどである。また、山脈を真っ二つに引き裂いて河の通り道を造ったり、山々と大地を深く切り抜いて海中へと投げて島を造ったこともある。 古くはペラスゴイ人に崇拝された大地の神(特に地震を司る)であったと考えられ、異名の1つに「大地を揺らす神」というものがある〔〔。また、馬との関わりが深く、競馬の守護神としても崇められた〔。故にその象徴となる聖獣は馬、牡牛、イルカであり、聖樹は松である。真鍮の蹄と黄金のたてがみを持った馬、またはヒッポカムポスの牽く戦車に乗る。ポセイドーンの宮殿は大洋の中にあり、珊瑚と宝石で飾られているとされる。 また、大地の神であった特質からデーメーテールの夫の位置にいることもあり、ピガリアではデーメーテールとの婚姻も伝えられている。ポセイドーンの名前の意味も、「ポシス=ダー(大地の夫)」からきているとされているが、ジョン・チャドウィックは「ダー dā という語彙はギリシア語には1度しか現れないし『大地』という意味でもない」としてこの説を斥けている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ポセイドーン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Poseidon 」があります。 スポンサード リンク
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