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ポテンシャル論 : ミニ英和和英辞書
ポテンシャル論[ぽてんしゃるろん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

テン : [てん]
 【名詞】 1. 10 2. ten 3. (P), (n) 10/ten
: [ろん]
 【名詞】 1. (1) argument 2. discussion 3. dispute 4. controversy 5. discourse 6. debate 7. (2) theory 8. doctrine 9. (3) essay 10. treatise 1 1. comment

ポテンシャル論 : ウィキペディア日本語版
ポテンシャル論[ぽてんしゃるろん]
数学および数理物理学におけるポテンシャル論(ポテンシャルろん、)とは、調和函数に関する理論のことを言う。
19世紀の物理学において、自然界における基本的な力はラプラス方程式を満たすポテンシャルによってモデル化出来ることが知られ、そのときに「ポテンシャル論」という語が初めて用いられた。その後、例えば古典静電気学ニュートン重力などのより精確な理論の発展があったが、依然として「ポテンシャル論」という語は残されている。
ポテンシャル論とラプラス方程式の理論には、重複する点が少なからず存在する。それら二つの理論の明白な区別は、内容というよりも次に示す一つの明白な強調点に依っている:ポテンシャル論では「函数」の性質に焦点が置かれるが、ラプラス方程式の理論では「方程式」の性質に焦点が置かれる。例えば、調和函数の特異性に関する結果はポテンシャル論に属すると言えるが、その函数が境界値にどのように依存するかという点に関する結果はラプラス方程式の理論に属すると言えよう。もちろん、これは絶対的な区別ではなく、それら二つの理論における手法や結果には、実際には重複する点も多い。
近代のポテンシャル論はまた、確率論やマルコフ連鎖の理論とも密接に関連している。また連続の場合には、解析理論と密接に関連している。状態空間が有限の場合、その空間上の電気ネットワーク、推移確率に反比例する点の間の抵抗、ポテンシャルに比例する密度を導入することによって、そのような関連性が導かれる。そのような有限の場合であっても、ポテンシャル論におけるラプラシアンの analogue I-K はそれ自身の極大原理や一意性原理、バランス原理やその他の原理を備えるものである。
== 対称性 ==

調和函数の研究における有用な出発点であり、原理の構成を担うものとして、ラプラス方程式の対称性が考えられる。その語の対称性は通常の意味のものではないが、ラプラス方程式は線型であるという事実から理論を出発することが出来る。すなわち、ポテンシャル論の研究における根本的な研究対象は函数の線型空間である。このことは、後述の節での函数空間的手法を考える際に特に重要であることが示される。
通常の語の意味における対称性に関して言えば、n-次元ラプラス方程式の対称性は実際には n-次元ユークリッド空間の共形対称性であるという定理から理論を始めることが出来る。この事実にはいくつかの意味がある。まず第一に、共形群あるいはその部分群(回転群あるいは平行移動群など)の既約表現の下で変換する調和函数を考えることが出来る。この考え方より、球面調和函数の解やフーリエ級数のような変数分離に依って生ずるラプラス方程式の解を計画的に得ることが出来る。それらの解の線型重ね合わせを取ることで、適切な位相の下でのすべての調和函数の空間において稠密であるような調和函数の大きな族を導出することが出来る。
第二に、調和函数をやとして生成するための古典的な手法を理解する上で、共形対称性を利用することが出来る。
第三に、ある領域の調和函数を他の領域の調和函数に移すために共形変換を利用することが出来る。そのような構成法の最も有名な例は、円板上の調和函数を半平面上のそれに関連付けるものである。
第四に、調和函数を共形平坦なリーマン多様体上に拡張するために共形対称性を利用することが出来る。そのような拡張の最も簡単な例はおそらく、(特異点からなる離散集合を除いた)Rn 全体で定義される調和函数を、n-次元球面上の調和函数として考えるものである。より複雑な状況も起こり得る。例えば、複数変数値調和函数を Rn のある分岐被覆上の単変数値函数として表現することでより高次元でのリーマン面の理論の類似物を得ることが出来たり、共形群の離散部分群の下で不変な調和函数を、複連結多様体あるいは上の函数と見なすことが出来たりする。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ポテンシャル論」の詳細全文を読む




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