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ポライモス(Porajmos、Porrajmos、Pharrajimosとも)とは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツやクロアチア独立国、ハンガリー王国など枢軸国が実行した、ロマ絶滅政策を指す。ロマ語の複数の方言で「絶滅」ないしは「破壊」の意。 ヒトラー政権下、ロマ及びユダヤ人は何れもニュルンベルク法により、「人種に基づく国家の敵」と定義。ナチス占領下の国家においても同様の絶滅政策が採られた〔Janos Barsony, “Facts and Debates: The Roma Holocaust,” in Pharrajimos: The Fate of the Roma During the Holocaust, ed. Janos Barsony and Agnes Daroczi (New York: International Debate Education Association, 2008), 1.〕。 第二次世界大戦におけるロマの犠牲者数は、推計で22万人から150万人に上るとされる。 しかし、テキサス大学オースティン校ロマ研究プロジェクトの主事を務めるイアン・ハンコックによると、被害者数は過小評価される傾向があるという。ハンコックはクロアチア、エストニア、ルクセンブルク及びオランダでほぼ全てのロマが殺害されたと指摘している。 ルドルフ・ラムルハワイ大学名誉教授はナチス・ドイツで25万8000人〔http://www.hawaii.edu/powerkills/NAZIS.TAB1.1.GIF, ''Statistics of Democide'', RJ Rummel, LIT Verlag Berlin-Hamburg-Münster, 1998〕、イオン・アントネスク政権下のルーマニア王国で3万6000人〔Line 1881, http://www.hawaii.edu/powerkills/SOD.TAB14.1D.GIF, ''Statistics of Democide'', RJ Rummel, LIT Verlag Berlin-Hamburg-Münster, 1998〕、そしてウスタシャクロアチアでは2万7000人〔Table 9.1, ''Statistics of Democide'', RJ Rummel, LIT Verlag Berlin-Hamburg-Münster, 1998 の195 - 201行目にある表を参照〕が犠牲になったとしている。 被抑圧民族協会によると犠牲者は27万7100人に上り〔http://www.gfbv.it/3dossier/sinti-rom/de/rom-de.html#r5〕、イギリスの歴史学者マーティン・ギルバートは、ヨーロッパの70万人のロマのうち犠牲者が22万2000人以上になると推測〔 (ref Map 182 p 141 with deaths by country & Map 301 p 232)〕。 この他、アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館は殺害されたシンティ・ロマ人及びロマの推計が、22万人から50万人になるとしている〔Sinti and Roma, ed. by Holocaust museum 〕。 == 語の使用を巡って == 「ポライモス」の語は1990年代初頭にイアン・ハンコックが自著で用いたのが始まりとされている〔Matras, Yaron. 2004. A conflict of paradigms: review article. In: Romani Studies 5. Vol. 14, No. 2. P.195 〕。ハンコックによると、1993年にロマに対する大量虐殺の呼称を議論した際、カルデラーシュロマがこの語を提案した。その他の案が複数上がったが、ハンコックは「ポライモス」が特に相応しいとして決めたという〔On the interpretation of a word: Porrajmos as Holocaust – Ian Hancock〕。 「ポライモス」の語は活動家が用いるのが専らで、被害者や生存者の親類など殆どのロマには名自体知られていない〔。また、ロシア人やバルカン・ロマの活動家の中には、「ポライモス」の語を使用する事に対して抗議する者も存在〔http://docs.google.com/Doc?id=ddr3tfjd_0cpggdpfw〕。 複数の方言において「暴力」や「レイプ」を意味する「ポラバイプ」(''poravipe'')と同義語であり、侮蔑語と見做すロマもいる。このため、バルカン・ロマの活動家は「サムダリペン」(「大量虐殺」の意。言語学者のマルセル・クルチアッドが初めて使用)の方を好む〔http://dosta.org/?q=node/37〕。 ただ、ハンコックはロマ語の形態論にそぐわないとして、この語を拒否〔。ルスカ・ロマの活動家の中には、「カリ・トラシュ」(「黒い恐怖」の意)という感情的な語を提示している者もいる〔http://romanykultury.info/discussion/discussion.php?row=3〕。 他には「ベルシャ・ビバータル」(''Berša Bibahtale''、「不幸な時代」の意)が用いられてきた〔が、最終的にはロマ語にホロコーストの類似表現が使われる事となった。 言語学的に見ると、動詞の「ポラヴ」(''porrav'')と接尾辞の「イモス」(''imos'')から構成。この接尾辞はヴラックス・ロマの方言で、他のロマ系諸方言では「イベ(ン)」(''ibe(n)'')または「イペ(ン)」(''ipe(n)'')となるのが一般的である〔Norbert Boretzky and Birgit Igla. Kommentierter Dialektatlas des Romani. Wiesbaden: Harrassowitz Verlag 2004. Teil 1: Vergleich der Dialekte.〕。 この動詞自体は「開ける」、「広げる」、或いは「破いて開ける」といった意味があるが、一部の方言では「口を開ける」、「貪り食う」となる事に注意〔http://romani.uni-graz.at/romlex/lex.xmlを参照〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ポライモス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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