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ポリプロピレン (''polypropylene'') 略称PPは、プロピレンを重合させた熱可塑性樹脂である。工業的に入手可能であり、包装材料、繊維、文具、プラスチック部品、種々の再利用可能な容器、実験器具、スピーカーコーン、自動車部品、紙幣など幅広い用途をもっている。汎用樹脂の中で比重が最も小さく、水に浮かぶ。強度が高く、吸湿性がなく、耐薬品(酸、アルカリを含む)性に優れている。しかし、染色性が悪く、耐光性が低い為、ファッション性の高い服地の繊維用途には向かない。汎用樹脂の中では最高の耐熱性である。 2011年の全世界の生産能力、生産実績、総需要は、おのおの62,052千トン、50,764千トン、49,366千トンであった〔世界の石油化学製品の今後の需給動向(2013年4月30日) 〕。一方、2012年の日本国内総需要は、2,297,562トンであった。同年の生産・輸入・輸出は、おのおの2,390,256トン(415,809百万円)、302,133トン(51,258百万円)、308,229トン(41,035百万円)であった〔石油化学工業会, 統計資料 〕。 == 構造と物性 == === 立体規則性 === 立体規則性は、ポリプロピレンの構造と物性を理解する上で非常に重要な概念である。隣り合うメチル基(右の図中のCH3)の相対的配置が最終ポリマーの結晶形成に強く影響を与える。なぜなら、各メチル基が空間配座を決めるからである。 立体規則性の違いにより、アイソタクチック(イソタクチック)、シンジオタクチック、アタクチックの立体規則性(タクティシティー)の異なったポリプロピレンが合成される。 アイソタクチックとは、不斉炭素が同じ絶対配置を持つような構造である。具体的には、プロピレン側鎖のメチル基がすべて同じ方向を向いていてかつプロピレンが頭-尾結合している構造である。一方、シンジオタクチックとは、不斉炭素の絶対配置が交互に並ぶ構造である。絶対配置がランダムな構造をアタクチックという。アタクチックポリマーは通常結晶化しない。 大部分の工業的に入手可能なポリプロピレンは、結晶性のアイソタクチックポリマーを主成分とし、0.5から2%程度のアタクチックポリマーを含んでいる。アタクチックポリマーは、キシレン等の溶媒に可溶であるので、この性質を用いて市販のポリプロピンから分離することが可能である。 タクティシティーは、13C-MNR(Nuclear Magnetic Resonance: 核磁気共鳴分光法)を用いてメチル基のメソ配置(隣り合うメチル基が同側)と配置(隣り合うメチル基が反対側)の分率を測定することにより得られる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ポリプロピレン」の詳細全文を読む
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