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マイクロサテライト(microsatellite)は、細胞核やオルガネラのゲノム上に存在する反復配列で、とくに数塩基の単位配列の繰り返しからなるものである。縦列型反復配列(short tandem repeat; STR)あるいは単純反復配列(simple sequence repeat; SSR)とも呼ばれる。繰り返し回数が多くなると遺伝子もしくはその産物であるタンパク質が不安定になりやすく、疾患の原因となるものも存在する。ゲノム中に広く散在しており、普通は中立で共優性を示すことから、集団遺伝学やDNA鑑定のための遺伝マーカーとして利用されている。 ==性質== 繰り返しの単位は通常2から4塩基程度の単純なものが多く、数回から多くて100回ほど繰り返す場合もある。よくある例としてはシトシン(C)とアデニン(A)が交互に繰り返すCAリピートがある。CAリピートはヒトなどのゲノム中には極めて頻繁に見られ、数千塩基あたり1つという高頻度に存在する。10回以上繰り返すようなマーカーは、種間や種内での多型として高頻度に存在している。 マイクロサテライトではゲノム中の他の中立的な領域と比べて変異速度が増大しており、これが多様性の源になっている。変異が速い理由は、DNA複製の際にDNA二本鎖上で複製のずれが起きるためだと説明されることが多い。細胞核においては複製ずれによる誤りは校正機構によって訂正されるが、しかしこれをすり抜けてしまう場合もある。反復単位の長さや揺らぎ、反復回数、また該当領域の転写頻度などが変異の速度に影響する。また減数分裂時の組換えに際して反復回数の変異が生じることもある。変異などによってマイクロサテライトが中断されると、多型は少なくなる。 繰り返し回数の多いものは突然変異を蓄積しやすく、そのような繰り返し回数の異常が疾患(脆弱X症候群、ハンチントン病など)の原因となるものも存在する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マイクロサテライト」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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