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ミクロネシア(Micronesia)は、オセアニアの海洋部の分類の一つ。日本ではイギリス英語風の発音でミクロネシアと呼ばれることが多いが、アメリカ英語風の「マイクロネシア」とも言われる。 現地では、アメリカ英語式での発音が普通である。 == 概要 == 概ね南緯3度~北緯20度、東経130度~180度の範囲にある諸島の総称である〔東経130度~175度の間、2300を超す島々が散在する。陸地面積は、2851平方キロメートル。(印東道子「太平洋戦争(ミクロネシアの島じま」/ 印東道子編著『ミクロネシアを知るための58章』明石書店 2005年 16ページ)〕。ただし、沖ノ鳥島・南鳥島は含まれない。パラオ・ミクロネシア連邦〔1991年国際連合に加盟〕・ナウル・マーシャル諸島の各国およびキリバスのギルバート諸島地域と、アメリカ合衆国の領土であるマリアナ諸島・ウェーク島も含まれる。なお、マリアナ諸島のうち最南端のグアム島は米国の準州であり、その他の島は米国の自治連邦区(自由連合州)である北マリアナ諸島に属する。 ミクロネシアはギリシャ語で「小さな島々」の意味である。また、ポンペイ島を中心とする「ミクロネシア連邦」をミクロネシアと略称することもある。 ミクロネシアの島々は、その地質構造によって大きく二つの種類に分類される。火山島とサンゴ島である。火山島は西部ミクロネシアのマリアナ諸島(テニアン島を除く)、ヤップ島、パラオ島、中央ミクロネシアのチューク島郡、ポーンペイ島、コスラエ島の6群島で、他の小さな島々はすべてサンゴ島である。 火山島の面積はサンゴ島よりもだいたい大きく、高度も数百メートルあるものが多い。最大の島はマリアナ諸島にあるグアム島である。面積約550平方キロメートルで高さは約400メートル。パラオ本島バベルダオブ島は面積約400平方キロメートルで高さは約200メートル、ポーンペイ島は約340平方キロメートルで高度734メートル、コスラエ島は約116平方キロメートルで高度約650メートルである。〔印東道子「火山島とサンゴ島」/ 印東道子編著『ミクロネシアを知るための58章』明石書店 2005年 20-21ページ〕。 先住民の大半はミクロネシア系であるが、カピンガマランギ島など、ポリネシア系の住民が暮らす島もごくわずかに存在している(域外ポリネシアと呼ばれる)。ちなみにミクロネシア海域でもポリネシアに隣接するカロリン諸島には、ポリネシアのものに極めて近い航法技術が残存しており、先史時代のミクロネシアとポリネシアの間で文化的交流があり、かつ両者が同じオーストロネシア系民族によって形成された文化であることを示している。 現代では、太平洋芸術祭などによってポリネシアやメラネシアの先住民との文化的交流が為されている他、ミクロネシア連邦ヤップ州サタワル島の航法師ピウス・ピアイルックがハワイの先住民運動(ハワイアン・ルネッサンス)に協力し、その功績から「パパ・マウ」と呼ばれている。 太平洋戦争(大東亜戦争)は、ミクロネシアの人々にとって、初めての近代的戦争経験であり、この地の社会・文化を覆す事件であり、アジア・太平洋的伝統社会システムからキリスト教的価値観を基礎とする欧米的生活様式への転換となった〔高橋康昌「太平洋戦争(第二次世界大戦)」/ 印東道子編著『ミクロネシアを知るための58章』明石書店 2005年 82ページ〕。 この戦争は、今なおミクロネシアの各所にその痕跡を残している。たとえば、キリバスのタラワ環礁の海岸には、日本軍が使った砲座がずらりと並んでいる。パラオのペリリュー島では、草むらの中に日本軍戦車が何台も放置されている。パプアニューギニアのスタンレー山系の山中では、日本軍兵士の鉄兜が発見される。サイパン島では崩壊した日本軍陣地に銃砲が空に向けられたままになっている。ミクロネシアの各地の海岸線に岩盤を刳り貫いたトーチカが掘られている。また、日本軍兵やアメリカ兵の墓標(慰霊碑)が、戦後になって遺族や政府などによって建立されている。〔高橋康昌「太平洋戦争(第二次世界大戦)」/ 印東道子編著『ミクロネシアを知るための58章』明石書店 2005年 84-85ページ〕。1946年~1958年にかけて信託統治していたアメリカが110回あまりの原水爆実験を実施した。その影響でロンゲラップの人たちをはじめ第五福竜丸など多くの人々が被爆した〔印東道子「ミクロネシアの島じま」/ 印東道子編著『ミクロネシアを知るための58章』明石書店 2005年 19ページ〕。 政治行政単位は、北マリアナ連邦(1986年コモンウェルス)、ミクロネシア連邦(1986年自由連合国〔軍事権と軍事にかかわる外交権はアメリカに委任、その他の権限は保持する。〕、 チューク、ヤップ、ポーンペイ、コスラエからなる)、マーシャル諸島共和国(1986年自由連合〔)、パラオ共和国(1994年自由連合〔)〔コンパクト・グラントは、GDPの2倍、政府予算の4倍〕(以上の4つは政治的には独立しているが、アメリカによって自由連合協定援助金(〔GDPの約40%、政府予算の約50%〕コンパクト・グラント)を供与されている〔高橋康唱「自立と経済」/印東道子編著『ミクロネシアを知るための58章』明石書店 2005年 189ページ〕。)、ナウル、キリバス。 人口(2000年の推計値)は、514,400人である〔棚橋訓「解説 オセアニア意島嶼部」/ 綾部恒雄監修 前川啓治・訓棚橋編集『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 09 オセアニア』 明石書店 2005年 184ページ〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ミクロネシア」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Micronesia 」があります。 スポンサード リンク
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