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マイケル・ロバート・ミルケン(Michael Robert Milken、1946年7月4日 - )は、米国の投資銀行家、慈善事業家である。1980年代にジャンクボンドの帝王''"Junk Bond King"''として名を馳せた。 == 略歴 == カリフォルニア大学バークレー校を首席で卒業した後、そのままペンシルベニア大学ウォートン・スクールでMBAを取得。1969年に、当時弱小投資銀行だったドレクセル・ファイアストーン(後にドレクセル・バーナムを経て、ドレクセル・バーナム・ランバート(:en:Drexel Burnham Lambert)。バ社)に入社し、投資銀行家としてのキャリアをスタートさせる。 投資銀行は、市場からコストの低い資金を集めたい会社が発行した社債や株式を引き受けて、市場で販売することで手数料を得る、日本の証券会社と似た存在である。発行する以上、売り手は高く市場で評価して貰いたいが、買い手が債務不履行(デフォルト)により損失を被る可能性が高い場合、格付け会社は、当該債権を最低ランクまたはランク外の評価とする。この結果、一流投資銀行が幹事となる一流会社の評価(AAA等)と比べて、バ社の扱う債権は、相対的に市場価格が安くなりデフォルトとなるリスクも高くなる。価格が低い以上、投資銀行の手数料も当然低い。会社も売れないのでは仕方がないため、利回りを高めに設定して償還しようとする。 しかし、ミルケンは、リスクを別の方法で計算した場合、実際の利回りと乖離ができる点に注目した。格付外の社債をひとつずつ売るのではなく、パッケージにして組み合わせた場合、全てがデフォルトする可能性は低くなり、更に複数の債権を組む際に、市場価格、リスク率、利回りなどを勘案してポートフォリオを作成すれば、最終的に計算の上でメリットがデメリットよりも高くなると考えた。企業とすれば、このように危ない債権を資産とするのは躊躇うが、個人投資家や機関投資家、海外投資などは短期間で利益の出る安い金融商品であれば購入するのに問題はなく、この結果、ジャンクボンドは投資銀行を潤していく。 さらに、ミルケンは、バ社が集めた資金を、個人投資家たちの企業買収の資金とする。これも、実際の資産価値と株式価格の乖離がタネとなる。資産を持っている企業の株式の価格が下がっている場合、会社を買った方が資産を買うのに便利である。例えば、石油会社がもつ埋蔵石油量と株式の価値を比較した場合などがそれである。会社を買った後に支配権を得て資産を売って投資分と利益を得る、または高値で株式を買い取らせて利益を得るか、が個人投資家の手口である。買収には莫大な資金が必要であり、その調達コストである金利も大きくなるが、ジャンクボンドにより安く市場から調達した資金が彼らの弾丸となって、1980年代のM&Aブームを拡大させた。勿論、ミルケンたちも、資金をセットアップするだけで莫大なメリットを得る結果となる。 ミルケンは、ジャンクボンドの開拓で得た名声を武器に、ウォール街への影響力を増大させていく。全盛期の年収は、会社からの給料、ボーナスだけで5億ドルを越えるようになり、一族にもこれを手伝わせ、莫大な富を築くことになる。一方、ドレクセルも、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなどの一流の投資銀行をおさえて、ウォール街ナンバーワンの投資銀行に躍り出た(売り上げベース)。しかし、この原動力はミルケンとその一派(一族)だけであり、次第に会社を支配されるようになる。 そして、1989年、インサイダー取引や顧客の脱税幇助など95の罪で起訴され、その名声は地に落ちた。いずれもグレーゾーンといったところであったが、この背景には、次のニューヨーク市長の座を狙う野心的な検察官ルドルフ・ジュリアーニのパフォーマンスの意味もあったといわれている。時同じくして、ジャンクボンド市場は崩壊した。ミルケンを解雇したドレクセルも、顧客を失い、倒産した。ミルケンは、禁固10年の判決を受け、証券業界からも追放が決議された。また、肉体は癌に冒され、完全に破滅したかに思われた。ところが、司法取引によって10年の刑期を2年にまで短縮し、出所後はかつての顧客を奪還し、公然とM&Aのアドバイザーなどを務めるようになる。そして、野菜中心の食生活への転換と懸命の治療により、癌をも克服。地獄から這い上がってきた、と一部関係者からは評された。2007年の資産は21億ドルとされ、フォーブスの億万長者ランキングで458位にランクされている。 今もなお、その評価は分かれる。慈善事業にも力を入れており、教育や医療(特にがん治療)に対して多額の寄付を行っている。第1回イグノーベル賞を受賞している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マイケル・ミルケン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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