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マウナ・ケア山(マウナ・ケアさん、Mauna Kea)は、ハワイ諸島にある火山であり、ハワイ島を形成する5つの火山のうちの1つである。ハワイ語でマウナ・ケアとは「白い山」の意であり、冬になると山頂が雪に覆われることから名づけられた。 マウナケア山山頂付近は天候が安定し、空気が澄んでいることもあり、世界11ヶ国の研究機関が合計13基の天文台(マウナケア天文台群)を設置している。日本の国立天文台が設置したすばる望遠鏡もここにある。また、ハワイ原住民との取り決めから、13基以上の天文台を建設しないことになっており、今後新たに建設する場合は、既存のものを取り壊すか新たな了承を取り付ける必要がある。 == 地勢 == ハワイ島を構成する順番に噴火した5つの楯状火山の一つである。マウナ・ケアからの溶岩流は北西にあるコハラ山の南斜面を埋め、自身の西および南斜面は隣の活火山マウナ・ロアからの溶岩に覆われる。マウナ・ケアの標高は4,205 mに達し、マウナ・ロアよりも35 m高く、ハワイ諸島で最も高い火山である〔 〕。隣のマウナ・ロアとは違い、山頂にはカルデラがなく多数の噴石丘と火山砕屑物堆積物が乗っている〔 〕。このためにマウナ・ケアの山麓上部はマウナ・ロアより2倍ほど急である〔 〕。また、マウナ・ロアより山体の開析が進んでいる。 マウナ・ケア山の最高点であるプウ・ヴェキウは多数の噴石丘のうちの1つであり、ハワイ諸島の最高点でもある。また、マウナ・ケア山は、裾野にあたる太平洋の海洋底から測ると、10,203メートルの高さがあり、エベレスト山を抜いて世界で最も高い山である〔 〕〔 〕。しかしながら、マウナ・ケア山は山全体の体積が非常に大きく、自分自身の重さによって海底が押しつぶされ、その高さは徐々に減少している〔 〕。 マウナ・ケアは火山進化の老年期 (post-shield stage) にあり、約20-25万年前に壮年期 (shield stage) から移行した〔。壮年期には隣のマウナ・ロアのように巨大な山頂カルデラを持つソレアイト質玄武岩でできた滑らかな楯状火山だった。老年期へと以降した後、溶岩は粘度の高いハワイアイトからベンモレアイトのアルカリ溶岩となって噴火は間欠的、爆発的になった〔 〕。その結果多数の重なり合う噴石丘が形成され、カルデラを完全に埋めて覆い隠した。この溶岩の変化は、マグマ源が高圧の深いところに移動して結晶の平衡関係が変わるためと考えられている。マウナ・ケアは、約4,500年前に最後に噴火していて、現在休火山である〔。 マウナ・ケアの山頂は更新世の氷期のあいだ巨大な氷帽によって完全に覆われていた。山頂には過去30万年間に少なくとも4回の氷河エピソードがあったことを示す証拠が残されている〔 〕。氷河モレーンは約70,000年前と約40,000-13,000年前に形成された〔。山頂近くのアヅ採石場 (Adz Quarry) にある厚い岩石は溶岩が氷河の下で噴出したときに形成されたと考えられている。 山頂付近の標高3970 mの地点にはワイアウ湖がある。また、マウナ・ケアには先史時代に石器用の玄武岩が採掘されていたアヅ採石場がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マウナ・ケア山」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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