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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
近接信管(きんせつしんかん 英語:Proximity fuze)は、砲弾が目標物に命中しなくとも、一定の近傍範囲内に達すれば起爆させられる信管をいう。太平洋戦争期間中にアメリカ海軍の艦対空砲弾頭信管に採用され、命中率を飛躍的に向上させる効果が確認されたことにより注目された。目標検知方式は電波式以外に光学式、音響式、磁気検知式が開発され、魚雷等の信管にも応用されている。 最大の長所は、目標に直撃しなくてもその近くで爆発することにより、砲弾を炸裂させ目標物に対しダメージを与えることができる点にある。 現在の正式な呼称は "Proximity fuze"。太平洋戦争当時のアメリカ軍の情報秘匿通称から「VT信管」(Variable-Time fuze) と俗称される。略意については、(兵器局VセクションのT計画で開発された信管)との説もある〔イアン・V・ホッグ(1982)『対空戦』〕。またこの信管を「マジック・ヒューズ」と呼称していたこともある。 == 歴史 == 軍艦の高角砲の砲弾に近接信管のついたものを使用することによって、それまでの時限式の信管の砲弾に比べて数倍の防空能力を得ることができた。 ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所のマール・チューヴ博士主導のもと、アメリカ海軍が協力し1942年1月に試作品が完成した〔近接信管 〕。1943年1月、ガダルカナル島の近くで行動中の軽巡ヘレナが九九式艦爆を撃墜したのがVT信管による最初の戦果である〔Radio Proximity Fuzes 〕〔VT信管 〕。マリアナ沖海戦でも使用され、日本海軍の艦載機に大きな損害を与えた。 マリアナ沖海戦で日本海軍が一方的敗北をした理由の1つとして、この近接信管により日本機が多数撃墜されたからかのような説が散見されるが、実際には優秀なレーダー網と航空管制による効果的な迎撃と航空機の性能差などのため、日本機は艦隊上空に到達する以前に大半が撃墜されてしまっており、対空砲火で撃墜された割合は被撃墜378機のうち19機と少ない。またマリアナ沖海戦時点では近接信管の大量な製造が間に合っておらず、アメリカ艦隊が発射した全高角砲弾のうち近接信管弾が占める割合は20%程度であった。 従来の信管は時限式で、目標の高度や速度などから予測される接触未来位置までの到達時間をあらかじめセットして発射し、一定時間後に爆発させる仕組みだった。最初期の近接信管は、目標から反射してきた電波(VHF)により信管内の発振回路が影響を受ける現象を利用しており、敵機が弾丸の15m以内を通るだけで爆発した。この信管によって、以前よりも命中率が大きく向上したとされる(英語版:en:Proximity fuzeでは7倍となっている)。 特別攻撃隊の項目に米軍の対空砲火の有効性に対する表があるので参照されたい。 実戦配備にまでは至らなかったものの、ドイツと日本でも近接信管を備えた対空兵器の研究はされていた〔誘導ミサイル「噴竜」③ 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「近接信管」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Proximity fuze 」があります。 スポンサード リンク
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