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ハッジ(アラビア語: , トルコ語 hac)は、イスラーム世界における、メッカ(マッカ)への巡礼の事を指す。五行の1つ。ヒジュラ暦第十二月であるズー=ル=ヒッジャ月(巡礼月)の8日から10日の時期を中心にメッカとその周辺地域で行われる一連の諸儀礼から構成される。特にズー=ル=ヒッジャ月以外でのメッカ巡礼を指すウムラ(小巡礼、:en:Umrah)と区別して「大巡礼」とも呼ばれる(なお、ウムラは五行には含まれないことに注意)。 すべてのムスリム(イスラーム教徒)にとって、少なくとも人生のうちに1回は、メッカ巡礼が義務付けられている。ただし、すべてのムスリムに課せられる他の四行(信仰告白(シャハーダ)、礼拝(サラー)、喜捨(ザカート)、断食(サウム))と異なり、巡礼を実行出来る体力や財力のある者のみが行えば良いものとされている。巡礼期間中にハッジを済ませたものはハーッジュ (女性形はハーッジャ )、あるいはハーッジー という尊称を得て、ムスリムの社会で尊敬を受ける。 サウジアラビア政府は、ズー=ル=ヒッジャ(巡礼月、イスラーム暦の第12月)の間に巡礼を目的とする外国人に特別査証を発給している。また、サウジアラビアとイスラエルとは国交はないが、パレスチナ人やアラブ系イスラエル人のイスラーム教徒たちは、ヨルダンのアンマンを経由してサウジアラビアに入国しハッジを行うことが可能である。また、メッカは、イスラーム教徒以外の人間が立ち入ることは禁じられていて、市内全域がイスラーム教の聖地である。 == 準備 == 伝統的に、メッカへ巡礼する人たちは、友達と、家族と、あるいは地域のモスクの主催でといった具合に、お金を節約するために集団で旅行した。いくつかの航空会社では、メッカへの巡礼者のために特別便(ハッジ・フライト)〔英語で「The Hajj Flight / Flights」「The Flights of / to Hajj」等。ハッジのためのインドの航空運賃補助金 (:en:Haj subsidy) も参照。〕を運行している〔サウジアラビア航空、イラク航空、パキスタン国際航空 (:en:Pakistan International Airlines#Hajj and Umrah operationsも参照)、ビーマン・バングラデシュ航空 (:en:Biman Bangladesh Airlinesも参照) 等。〕。女性がメッカに行く際には、父親や夫、あるいは兄弟といった男性の親族と一緒にメッカに行くことを奨励されているが、サウジアラビア政府は、単身での渡航を許可している。メッカでは、ムタッウィフ (Mutawwif) と呼ばれるガイド役が、巡礼にまつわる様々な手助けをする。 彼らがメッカに滞在する間、イフラーム (en:iḥrām) と呼ばれる巡礼中の禁忌の状態に入り、定められた場所(ミーカート)で男性の巡礼者は巡礼用の衣服の着用が求められる。女性には巡礼用の特別着の規定はなく、全身を覆う服を着用し、顔だけを出すようにすれば良いとされる。男性の場合、イフラームは2枚の縁縫いのない布からできていて、胴の上はだらりと垂れ下がっている。また、白い飾り帯によって布地の下の方は守られていて、これに、サンダルが付随する格好である。イフラームは、神の前では巡礼者はすべて平等であるということ示すためのものであり、すべての人間が同じように衣装をまとっている時には、たとえ王子であれ貧困者であれ、その間では、まったく相違がないことを象徴付けている。イフラームはまた、清純と免罪を象徴する。 イフラームへ着替えるために明示された場所をミーカート () と呼ぶ。イフラームを身につけている間は、巡礼者は髭を剃らず、爪も切らず、宝石も身に着けない(ただし腕時計は身につけることが多く、その質で身分の見当はつく)。タルビヤ (:en:Talbiyah) として知られる祈りは、巡礼者がその衣装を纏っている際に、詠唱される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハッジ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Hajj 」があります。 スポンサード リンク
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