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マリーザ・モンチ : ミニ英和和英辞書
マリーザ・モンチ[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

マリーザ・モンチ : ウィキペディア日本語版
マリーザ・モンチ[ちょうおん]

マリーザ・ジ・アゼヴェード・モンチMarisa de Azevedo Monte1967年7月1日リオ・デ・ジャネイロ生まれ)は、ブラジルの歌手である。彼女の音楽の大部分はモダンなMPBのスタイルである一方、伝統的なサンバやブラジル北東部民謡の楽曲や、ロックなどジャンルを超越した歌手として知られる。
== バイオグラフィー ==
彼女の家庭は中流階級でありながら、父親がエスコーラ・ジ・サンバポルテーラ(G.R.E.S.Portela)のメンバーで役員だったことから、黒人の下層階級の音楽とされるサンバなど、幼少より多くのブラジル音楽に囲まれて育った。したがって彼女はポルテレンセ(ポルテーラの人、あるいはポルテーラ贔屓の人)として知られている。
一方、マリア・カラスの大ファンだったことから19歳にしてクラシック声楽の手ほどきを受けるためにイタリアに渡る。今日の彼女の多様な音楽性はこうした部分に影響されて育ったことによるものである。しかしイタリアで心変わりが生じ、ヴェネツィアのバーやクラブでMPBを歌うようになる。これがミュージシャン・小説家・プロデューサーなど多彩な顔を持つネルソン・モッタの目にとまり、ブラジルEMIと契約。当時はEMIの膨大なアーカイブから音源を選び、何度も頼み込んでカセットテープにコピーをしてもらうなど、自身の音楽性をより深めつつデビューへの準備を整えていった。
1988年3月、サンパウロで開いたショーがセンセーションを呼び、翌1989年にデビュー。このデビューアルバム''Marisa Monte ''(マリーザ・モンチ)は、新人歌手ながらスタジオ録音ではなくテアトロ・ヴィラ・ロボスで開かれたライブ音源だったこと、またその内容がクルト・ヴァイル(Kurt Weill)に加え、アメリカ・ハリウッドで成功したブラジル人歌手で彼女が敬愛するカルメン・ミランダのサウス・アメリカン・ウェイ(South American Way)、さらにはイタリア人歌手のピーノ・ダニエレ(Pino Daniele)、アメリカのジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin)、マービン・ゲイ(Marvin Gaye)やルー・リード(Lou Reed)、またアルナルド・アントゥネス(Arnaldo Antunes)といったアーティストの曲を選曲し収録、多種多様なジャンルとその優れた表現力もさらにセンセーションを呼び、話題となった。
デビューアルバム発売前から前評判が高く、「エリス・ヘジーナ亡きあとのMPB女性歌手」などと称賛されたが、彼女自身は「その称賛は嬉しいけど、エリスの20年に対し私は5年というキャリアしかなく、またやっているスタイルが全く違うから、比べられる共通点があるとは思えない」などとやんわりと否定している〔月刊ラティーナ1992年8月号インタビュー〕。
1991年、2枚目のアルバム ''Mais''(マイス)ではプロデューサーにアート・リンゼイ(Arto Lindsay)を迎えて製作、ローリー・アンダーソン(Laurie Anderson)、デヴィッド・バーン(David Byrne)、坂本龍一といった海外のアーティストをゲストに迎えてコラボレーションした。またカエターノ・ヴェローゾの''De Noite Na Cama''(ジ・ノイチ・ナ・カーマ)、あるいはカルトーラの''Ensaboa''(エンサボア)など、知られた曲に斬新なアレンジを施して従来とは全く異なったイメージを与えた。なお、このアルバムはアメリカ盤や日本盤は通常のジャケットデザインだったが、ブラジル盤は中央の十字の部分がくり貫かれて次のページに見開くという、ブラジルならではの凝ったデザインだった。
また1992年にツアーに伴い初来日。''Mais''ライブ時に準じるメンバー編成によるライブで、渋谷(6/1~3)・名古屋(6/5)・心斎橋(大阪・6/6)のクラブ・クアトロで、計5回のライブを行った。
1994年発表の''Verde, Anil, Amarelo, Cor-de-Rosa e Carvão''(ローズ・アンド・チャコール)もアート・リンゼイによるプロデュースでカルリーニョス・ブラウン(Carlinhos Brown)、の全面協力のもと、サンバの貴公子とも称されるパウリーニョ・ダ・ヴィオラ、あるいはナンド・ヘイス(Nando Reis)によるブラジルのロックバンド・チタンスの曲など多様なジャンルの曲が収められている。
1996年の''Barulhinho Bom''(グレート・ノイズ)では、ジャケットに古めかしいポルノ風コミックのイラストを使われたことが話題となった。これはグリンゴ・カルヂアという人物がカルロス・ゼフィロの作風をまねて描いたものである。ちなみにカルロス・ゼフィロ(本名:アウシーデス・カミーニャ)は、1950年代から1970年代の間の軍政下で、労働省移民局の公務員であったことから隠れて雑誌に連載していたため、長い間謎の人物とされていた(なお彼自身は1991年にブラジルのプレイボーイ誌で正体を暴露されて翌年には他界している)。そのため、彼のコミックを隠れて買っていたブラジル人も多かった。したがって、その画風がよく知られていたこと、またブラジル盤はCDがピンクのシュリンクに覆われて発売されたこと、さらに、この作品がライブ盤とスタジオ録音の2枚組み仕立てだったことなど、これらがあいまって話題となった。
2000年には、ポルテーラの草創期メンバー・長老で構成されるヴェーリャ・グアルダ・ダ・ポルテーラ(Velha Guarda da Portela)のアルバム''Tudo Azul''(トゥード・アズール)をプロデュース、つづく2002年にもそのメンバーであるアルジェミーロ・パトロシーニオ(Argemīro Patrocínio)のアルバムのプロデュース、また同じくメンバーのジャイル・ド・カヴァキーニョ(Jair do Cavaquinho)のアルバムも、彼女が権利を買い取って2枚組みとして発売した。なおこれらのアルバムは彼女自身のフォノモトール・レーベルから発売されている。また彼女のポルテレンセとしての絆の深さは、フィルム・''O Mistério do Samba'' にも収められ、2008年にカンヌ映画祭で出品公開されている。
2003年には、カルリーニョス・ブラウン、アルナルド・アントゥネスと3人でのコラボレーションアルバム・''Os Tribalistas''(オス・トリバリスタス)を発表。トリバリスタは近年の造語で直訳すれば「部族主義者」となる。Triとは「3つの」を意味する接頭辞で、三和音、三位一体、トリオなどを表し、トリーポ(部族)にかけている。したがって、アルバムの最後に収められた曲には「部族主義とは反ムーブメント主義であり、何もせずともあるがままに自然に同化した」というメッセージが込められている〔月刊ラティーナ2003年6月号及びオフィシャルサイト でのインタビュー〕。なおこのアルバムはマリーザ本人のスタジオで製作されている。
2006年、オリジナルアルバムとしては6年ぶりに''Universo ao Meu Redor''(ウニヴェルソ・アオ・メウ・ヘドール、私のまわりの宇宙)と''Infinito Particular''(インフィニート・パルチクラール、私の中の無限)の2枚を同時発売したことで話題になった。前者はサンバを取り上げたアルバムであるが、ビースティ・ボーイズベックを手掛けたマリオ・カルダートを共同プロデューサーに迎えて、古いサンバの曲の概念を壊し、全く新しいサンバとして表現している。なお、このアルバムはラテン・グラミー賞を受賞している。後者は共同プロデューサーにアレー・シケイラを迎え、ジャキス・モレレンバウムセウ・ジョルジ、カルリーニョス・ブラウン、ナンド・ヘイスに加え、フィリップ・グラスも参加している。
2007年、15年ぶりに再来日し、5月26日のZEPP名古屋、29日と30日に東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールの計3回ライブを行っている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「マリーザ・モンチ」の詳細全文を読む




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