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Malta fever =========================== ・ 熱 : [ねつ] 1. (n,n-suf) fever 2. temperature
ブルセラ症(ブルセラしょう、''brucellosis''、あるいはブルセラ病)とは、ブルセラ (''Brucella'') 属の細菌に感染して起こる人獣共通感染症。日本においては家畜伝染病予防法に基づく家畜伝染病、感染症法における四類感染症に指定されている。診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る〔感染症の話 ブルセラ症 国立感染症研究所〕。マルタ熱とも呼ばれる。ブルセラ属細菌は国立感染症研究所病原体等安全管理規程においてレベル3に分類されている。動物への依存度が強い国や地域では、依然発生は多い。動物のブルセラ症対策が行き届いた結果、多くの工業国ではヒトのブルセラ症も減少した。これは、ヒトのブルセラ症の発生が保菌動物の存在に依存していることを示している〔。 == 病原体と感染症の概要 == ブルセラはグラム陰性の球形に近い小桿菌で、莢膜、芽胞、鞭毛をもたず、発育は非常に遅い。潜伏期間は2~3週間。そのため、通常の培養は少なくとも4週間は経過観察の必要がある。脾臓、リンパ節などでの細胞内増殖をする。ほこりの中では6週間、土や水の中では10週間生存する〔。家畜との接触、汚染乳製品の摂取を通じてヒトに感染する。1887年、クリミア戦争でマルタ熱の原因病原体としてイギリス軍の軍医・デビッド・ブルース (Sir David Bruce) によって ''Micrococcus melitensis'' が発見されたため、この名前が付いた。100個以下の菌数でも感染するとされ、感染しやすく検査室感染も多い〔。 ヒトに感染を起こすのは ''Brucella abortus''、''B. melitensis''、''B. suis''、''B. canis'' の4種類とされていたが、近年の研究では ''B. pinnipedialis''、''B. ceti'' でも感染するとされている。 牛においては ''Brucella abortus'' の感染が妊娠6~8ヶ月での流産の原因となる。日本では家畜におけるブルセラ症は1970年代にほぼ撲滅されたが、現在でも犬の ''Brucella canis'' 感染が見られる。ヒトに感染すると発熱、発汗、頭痛、背部痛、体力消耗というような症状を起こす。重症化すれば脳炎、髄膜炎などの中枢神経の炎症や心内膜炎、骨髄炎を起こすこともある。テトラサイクリンやストレプトマイシンなどに感受性を示すが、細胞内寄生を持つため体内の菌の撲滅は難しく、再発する。なお、家畜においては治療を行わず殺処分する。現在家畜のみ、生体輸入については厳しい検疫制度により感染家畜を輸入されない様水際で監視され、罹患家畜は殺処分されている。犬猫ペットについては充分な検疫はされないので、外観で感染が判断できないため感染犬を輸入してしまう場合もある。''Brucella canis'' による犬ブルセラ症は、日本に定着したと考えられ犬の2−5%が既にキャリアである〔。山口県による2005年の報告によれば、48検体中1検体で抗体を検出した〔 山口県環境保健センター〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ブルセラ症」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Brucellosis 」があります。 スポンサード リンク
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