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マルテンサイト : ミニ英和和英辞書
マルテンサイト[てん]
martensite
===========================
テン : [てん]
 【名詞】 1. 10 2. ten 3. (P), (n) 10/ten
マルテンサイト : ウィキペディア日本語版
マルテンサイト[てん]
マルテンサイト(、α'鋼)は、一般にFe-C系炭素鋼を安定なオーステナイトから急冷する事によって得られる組織を指す。体心正方格子の鉄の結晶中に炭素が侵入した固溶体で、硬くて脆い組織である。
また、無拡散変態により形成される合金組織全般を指す場合もある。
1891年にドイツの冶金学者(Adolf Martens)により発見され、マルテンサイトという名称は、彼の名前から由来している。現在ではあまり使用されないが、組織形状がの葉に似ていることから、日本の冶金学者本多光太郎による麻留田(マルテン)という漢字当て字がある〔。
== マルテンサイトの形成 ==


炭素鋼の結晶は、高温ではオーステナイト面心立方格子構造)が、常温ではフェライト相体心立方格子構造)が安定している。このため高温のオーステナイトを冷却するとフェライトに変態しようとする。フェライトはオーステナイトと比べ少量の炭素しか固溶できないため、変態する際には結晶中から炭素を移動させなければならず、移動のための拡散が伴わなければならない(拡散変態)。
炭素鋼をゆっくり冷却すると、炭素はフェライト組織から追い出されてセメンタイト(鉄炭化物)を生じ、パーライト(フェライトとセメンタイトの層状組織)が形成される。しかし拡散が十分に起きない速さで急冷すると、炭素が体心立方格子の一軸を引き伸ばし、そこへ炭素が侵入した準安定状態の結晶構造となる(無拡散変態)。このようにして形成される組織をマルテンサイトと言う。〔田村今男鉄鋼材料学朝倉書店、初版第1刷、40頁より引用〕
また、常温でオーステナイトの状態の鉄に応力を加えることによりマルテンサイトを生じることもある。これを応力誘起マルテンサイトとよぶ。ステンレス鋼のSUS304(18-8ステンレス;オーステナイト系)などをプレス加工切削加工鍛造など行うとこのマルテンサイトを生じることがある。またマルテンサイト系の形状記憶合金はこのマルテンサイト変態を利用したものである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「マルテンサイト」の詳細全文を読む




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