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マレーシアの漫画は、マレーシアで制作される漫画である。マレーシア社会が有している多言語文化を背景に、マレー語、中国語、英語と多言語で作品が発表されている。また他国に比較して、児童漫画及び少女漫画の比重が極めて高い点も特徴である。 == 概要 == 『少年週報』と『青苗週刊』が創刊された1985年が、マレーシアにおける漫画の草創期とされる〔『マレーシア漫画協会紀年会刊 2009』〕。『少年週報』の専属漫画家となった張瑞成は『神童』や『超能少年』を発表、『青苗週刊』でも黄奱棋、森林木、王永基などが作品を発表。その後、黄奱棋、森林木、黄瑞発などにより成年漫画である『正牌老夫子』が隔週刊で連載された。1986年になると『新晩報』、『中国報』、『新生活報』、『生活電視』などの多くの雑誌でマレーシア漫画家の作品が発表され、張少林、楊孝栄、黄寿忠、李国文などがこの時期にデビューしている。当時は日本の漫画を無断で翻訳した海賊版の市場が大きかったこともあり、日本の影響を強く受けた作品が主流であったが、張少林や楊孝栄などは香港の漫画の影響を強く受けた作品を発表し、特に楊孝栄はその後香港の黄玉郎の出版社に参加している〔『マレーシア漫画協会紀年会刊 2011』〕。 1990年代に入ると、雑誌から単行本が主流となっていく。余有勤の『武神』、丘光耀の『林連玉』や『林吉祥伝』、陳中偉の『童年』、柳丁の『鳥人正伝』、郭豪允の仏教漫画シリーズなどが登場し、また後にマレーシアを代表する維明や杜英才、祖安もこの時期にデビューしている。また、1980年代に活躍した漫画家が創作活動から出版活動に転進したのもこの時期である。張瑞成は『漫画週刊』を発行するとともに集英漫画社を設立、日本からの授権を得ることなく日本の漫画を翻訳出版、そこでの収益を利用して『漫画少年』を創刊し、陳天星、張振怡、張桂明などの新人を発掘したが、その販売は不振が続き『漫画少年』は廃刊となり、マレーシア漫画家の育成計画は短期間で失敗している〔『マレーシア漫画協会紀年会刊 2009』〕。 1993年になると漫画城出版社が香港より周聖を招聘し、マレーシアにおいてアシスタントの育成を目指した。同時に陳永発の『猟魔』や『水滸外伝』、張振怡の『鬼故事』、蔡再鴻の『烏龍家族』、熊人の『鉄拳』などを出版し、マレーシア漫画産業の発展を目指した。しかし販売不振により廃刊となり、マレーシアの漫画作品を掲載した雑誌は消滅した。 こうした状況の下、マレーシアの漫画家は海外市場を目指すようになり、1997年にはシンガポールの亜太出版社が陳国勝、黄慶栄、林鉅秦、劉錦漢、張開振などの大量のマレーシア漫画家の作品を出版している。しかし同年に発生したアジア通貨危機により販売数量は極めて限定的となり、マレーシア漫画家の受難期は続くこととなる。こうした中、蔡天発、余有権、左手人、Blue、史美星、JONDEP、蘇文徳、陳耀竜、黄建隆などは積極的な創作活動を行っていた。 2000年代に入ると、多くの漫画家が海外市場を目指すようになった。その代表格が陳永発であり、アメリカ合衆国において『Doom Patrol』や『Batman』などの雑誌で多くの作品を発表している。海外での活躍によりマレーシア国内の漫画市場も再構築され、平方集団は『Gempak』を創刊、2003年6月には中国語市場を目標に『漫画王』を創刊し、張家輝、蔡詩中、李国靖、劉怡廷、林詩敏、BEN、李沢権、藘穏亢、丁偉光、何声超、何声強などの多くの漫画家を育成し、マレーシアの漫画市場の再構成に成功している。 その他、児童漫画も同時期に徐有利の『哥妹倆』及び呂寿聡の『榴槤公主』が出版され、教育的な内容により学校教育との連携に成功している。学校経由による団体定期購読というビジネスモデルが成功してからは、他の出版社からも児童漫画雑誌が続々と創刊され、2006年には漫頭社の『OKA』、平方集団の『秀逗高校』、『小班長』、『聡明世界』、彩虹漫画の『KK小超人』、嘉陽出版の『漫頭』、『GOGO学堂』などが創刊されている。 マレーシアの漫画産業発展に伴い、2009年5月に「マレーシア中文漫画協会」が設立され、マレーシアにおける漫画産業の発展を目的に活動を開始した。同年11月には「第1回中文職業漫画大賞」を発表、2011年8月には「第2回中文職業漫画大賞」、2012年12月には「中文新人漫画大賞」が発表され、マレーシア独自の漫画家の育成に寄与している。また毎年クリスマス前後にクアラルンプールで開催されるComic Fiestaがあり、会場では企業ブース以外に個人による同人誌、同人グッズ販売ブースが設置されている。2014年6月7日から6月8日にかけてクアラルンプールでComic Art Festival Kuala Lumpur(CAFKL)が初めて開催され、商業ブースが主となるComic Fiestaに対し、同人作品を主体としたイベントが初めて開催されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マレーシアの漫画」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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