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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
『マンスフィールド・パーク』(''Mansfield Park'')は、ジェーン・オースティンの長編小説。1811年から1813年の間に執筆され、1814年に刊行された。 ==あらすじ== 美人の三姉妹の次女マライアがマンスフィールド・パークの主人である准男爵で裕福な地主のバートラム卿に見初められた。その姉はバートラム卿の友人と結婚してノリス夫人となりその余禄を受けたが、三女のファニーは身分違いの貧乏な結婚をした。そのため、三女はそれを責められ、互いに絶縁する。 三女は貧乏子沢山で金がないのに音を上げ、恥を忍んで援助を姉夫妻に申し込むと、バートラム夫人はわだかまりを解き、直ちに援助した。そしてその長男ウィリアムはバートラム卿の後見で海軍に入り、長女ファニーはノリス夫人の思いつきにより引き取られることになった。しかしノリス夫人はアイデアを出すだけで慈善をした気になる性格で、実際にはバートラム夫妻に引き取られることになった。バートラム卿は自分の男子2人がファニーと恋仲になってしまうことに懸念を感じるが、兄妹同様に育てばそんなことは起こらないとノリス夫人に説得される。 従兄妹たちと兄妹同様だと思わず出しゃばらないようにとノリス夫人に言われるまでもなく、ファニーは引っ込み思案であり、その様子から家族からは受け入れられ、年の近い2人の従姉妹も彼女たちなりにファニーを遇する。 しかしそんな中でファニーのことを真に考えて親切にしてくれるのは次男のエドマンドだけであった。 そんな中でバートラム卿はインドにある資産の手入れのために長男のトムを連れて渡洋するが、その間に長女のマライアはミスタ・ラッツワースと婚約し、またノリス牧師の後任にやってきたグラント牧師の夫人の甥と姪であるクロフォード兄妹が隣人として滞在することになった。やがて一足先に長男のトムが帰ってくると、その悪友であるミスター・イニェツと共に若者たちは演劇をしようとの思いつき、それにのめり込むが、やがてそれを果たす前にバートラム卿がインドから帰ってきたため、全ては台無しにされてしまう。(第1巻) バートラム卿の帰還からやがてヘンリー・クロフォードも当地を去り、ヘンリーを好ましく思っていたバートラム卿の娘2人もマライアはミスター・ラッツワースと結婚してしばらく保養地に滞在し、妹のジュリアもそれに付き添うことになる。 娘2人がいなくなったマンスフィールド・パークの中でファニーが唯一の若い娘となり、ファニーにとっては不本意ながら家族の一員として中央に押し出される。エドマンドを慕うファニーは、同じくエドマンドと互いに好ましく思っているミス・クロフォードから親しくされ、友達付き合いを始めざるを得なくなってしまう。 そして再び立ち寄ったヘンリー・クロフォードはいつの間にか美しくなったファニーに遊び半分ながら好ましく思い始める。 そんな中でファニーの兄ウィリアムが休暇を取り、マンスフィールド・パークに招待され、ファニーは喜ばしいひと時を過ごすと、ヘンリー・クロフォードは普段は内気なファニーが生き生きとしている様子をみて、ますます振り向かせたいと思うようになる。 バートラム卿はインドから戻って以来、美しくなったファニーの謙虚さを好ましく思っており、同様にウィリアムの立派な様子を見てこの兄妹をますます気に入り、2人のためにも舞踏会を開こうと計画する。舞踏会でヘンリー・クロフォードは自分がファニーに夢中であることに気づかされた。そしてバートラム卿は姪がヘンリー・クロフォードに求愛されているのに気づいており、好ましく感じていた。(第2巻) ヘンリー・クロフォードはバートラム卿にファニーの件について許しを得るが、バートラム卿はファニーがその縁談について拒絶するのに対し驚愕し、次第に怒りも覚える。しかしやがてヘンリー・クロフォードの気持ちさえ堅固ならば、ファニーの気持ちもいずれ軟化すると思うのであった。その頃にはバートラム夫人も娘2人が不在な今ではファニーを寵愛するようになっており、ノリス夫人だけが姪の分際で重宝されていることに良い気持ちをもっていなかった。 エドマンドはメアリー・クロフォードと互いに相思相愛なのは明らかなのであるが、メアリーはエドマンドが僧職に付くことが気に入らず、求婚を受け入れないでいた。ファニーはエドマンドへの気持ちが諦めきれず、二人の関係に一喜一憂するが、それを知らずにエドマンドとメアリーはファニーを親友として扱っていた。 やがてクロフォード兄妹はマンスフィールド・パークを離れ、エドマンドも正式に僧職を得て遠くない場所であるが別居を始める。 バートラム卿は相変わらずヘンリー・クロフォードの求愛を受け入れないファニーに対し、実家へ里帰りさせて上流階級の暮らしの素晴らしさを実感させれば財産のある男との結婚を前向きに受け入れるだろうと考え、ファニーの兄で士官に任官されたウィリアムがお礼がてら休暇にやってきた際に、ファニーに2ヶ月の実家帰りを提案した。ファニーは実家が懐かしいのと、最愛のウィリアムの休暇の間共にいられることもあり、喜んでその提案を受け入れた。。 しかしポーツマスへ移っていた実家へ帰るや否やウィリアムの休暇は終わってしまい、船上の人となってしまった。一方でファニーに対して母が関心を持ったのは最初だけで、父に至ってはファニーに対して無関心であった。妹のうち1人は死んでおり、弟妹達は上流階級の家で過ごしているファニーには不作法で下品にしか思えなかった。品の良いバートラム卿の屋敷とその一家を思い出すと、ファニーは1月もしないうちに戻りたくなる。そんな中、幼い頃しかしらなかった妹の1人であるスーザンだけが一家に改革意識があり、作法を知るファニーを敬愛するようになった。 そんな中でバートラム卿が会いにくると、ファニーの気持ちは軟化した。かつてのバートラム卿よりも優れた人間になっているように思え、実際に少し前向きに考えられるようになった。 実家滞在が2ヶ月も過ぎようという頃、バートラム卿の長男であるトム・バートラムが重態となった。そのためかバートラム家からファニー不在を悲しみ、実家が気に入って帰りたくないと思ってしまうのではないかと心配する手紙はくるものの、実家滞在は延長され、ファニーは一刻も早くマンスフィールド・パークに戻りたくなった。 やがて突然、メアリー・クロフォードから謎の手紙が届いた。兄のヘンリー・クロフォードを擁護して信じるようにとの内容で、ファニーにはさっぱり内容が分からなかった。しかしバートラム家からの手紙で事件の内容が判明した。ラッシワース夫人となっていたバートラム卿の長女マライアがあろうことかヘンリー・クロフォードと駆け落ちしたというのである。しかも次女のジュリアはミスタ・イェイツとこれまた駆け落ちしたのである。これにより大いに不面目となったバートラム卿は夫人を慰めるためにもファニーを直ちに戻す必要性を感じ、ファニーはマンスフィールド・パークへ迎えられた。この時に妹のスーザンも客として滞在を許され、スーザンはやがてバートラム家に馴染んでいく。 バートラム卿はヘンリー・クロフォードとの結婚を推した不明を恥じ、ファニーに対して許しを求めた。一方でエドマンド・バートラムはついにはメアリー・クロフォードと破局し、やがて身近にいたファニーに対して真の愛情を感じるようになった。以前よりエドマンドを慕っていたファニーに無論のこと異存はなく、バートラム卿も息子の結婚相手には地位と財産でなく人柄が重要と感じ、エドマンドとファニーとの結婚を許した。バートラム卿は従兄妹同士の結婚をファニーを引き取る時に懸念していたが、実際には賛成に回ることになったのである。バートラム夫人はファニーが側を去ることに難色を示すが、ファニーの妹のスーザンをファニーに優るとも劣らないほど気に入るに従い、スーザンを引き取ることでファニーの結婚を許した。ノリス夫人は猛反対したが、娘の不始末の件ですでにバートラム卿への支配力は失われており、寵愛していたマライアが完全に上流階級から居場所を失ったために引き取り遠い場所で暮らすことになった。 やがてグラント牧師の死と共にエドマンドはマンスフィールド・パークでの僧職を得て、ファニーと共に戻ってくるのであった。(3巻) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マンスフィールド・パーク」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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