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ミズゴケ属[みずごけぞく]
ミズゴケ属(みずごけぞく、学名:''Sphagnum'')は、ミズゴケ綱ミズゴケ科に分類されるコケ植物の1属。多孔質の植物体を形成し、多量の水を含むことができる。世界では約150種、日本では47種が分類されている〔岩月善之助 「ミズゴケ亜綱」 『植物の多様性と系統 バイオディバーシティ・シリーズ 2』 岩槻邦男・馬渡峻輔監修、加藤雅啓編集、裳華房、1997年、182頁、ISBN 4-7853-5825-4(ISBN-13 978-4-7853-5825-9)。〕。 == 特徴 == 本属が属するミズゴケ科はコケ植物門蘚綱に属し、単独でミズゴケ目を構成する。茎と葉の区別のある茎葉体であるが、独特の構造をもつ。軸は木質化し、主軸はほぼ上に伸びるが、放射状に側面方向に枝を出す。葉は軸の回りに密生する。葉の細胞には、大型で光合成を行わない空洞になった細胞(透明細胞または貯水細胞)と小型で葉緑体を持ち光合成を行う細胞(葉緑細胞)が交互に並んでいる。この透明細胞には表面に穴があって、内部に多量の水を蓄えられるようになっている。 茎の上からさく(胞子のう)をつける。胞子のうは柄の上に生じ、球形で黒くなる。他の蘚類とは異なり、この柄はさくの柄ではなく、植物体の方から作られたものである。 熱帯から寒帯に分布するが、特に北半球の冷温帯に多い。湿地に多くの種が生育する。湿地の地面に密生してクッション状の群落を形成する。特に、寒冷地ではミズゴケ類を中心として湿地に生育する植物遺体が積み重なっても分解せず、次第に厚い層を形成するようになる。このようにして盛り上がった湿地を高層湿原と言う。ミズゴケ類は高層湿原を形成する主力である。イボミズゴケ ''S. papillosum'' やユガミミズゴケ ''S. subsecundum'' などがこれにあたる。温暖な地域に生息する種として、ホソベリミズゴケ ''S. junghuhnianum'' subsp. ''pseudomolle'' は九州にまで生息し、水の染み出す崖地や岩場に塊状の群落を作る。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ミズゴケ属」の詳細全文を読む
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