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ミトコンドリア病(ミトコンドリアびょう)は、細胞小器官の一つであるミトコンドリアの異常による病気である。1980年代から脚光を浴びるようになった。障害の起こる部位に因んで、ミトコンドリア脳筋症、ミトコンドリアミオパチーとも呼ばれる。 == 概要 == ミトコンドリアの変異が原因になって、十分な好気的エネルギー産生が行えなくなることによって起こる。昔の推定と違い、最近の研究では必ずしもミトコンドリアDNAの異常が原因でないことがわかってきた。ミトコンドリア病は、このエネルギー需要の多い、脳、骨格筋、心筋が異常を起こすことが多い。体内全てのミトコンドリアが一様に異常をきたすわけではないため、多彩な病態を示す。また、嫌気的エネルギー産生機構が異常に酷使されるため、代謝産物の乳酸やピルビン酸の蓄積を来すことがある。糖尿病様の病態を示すこともあり、実際、糖尿病の1%はミトコンドリア病であると考えられている。ミトコンドリア病には核遺伝子の変異によるものもある(チトクロームc酸化酵素欠損の一部)。 多くの場合、孤発性(遺伝関係がはっきりしない)であるが、殆どのミトコンドリアDNAは母親の卵細胞から受け継がれるので、点突然変異(一塩基が置き換わるもの)の場合は母系を伝わり遺伝することがある(細胞質遺伝、または母系遺伝)。核遺伝子の異常によるものは多くの場合常染色体劣性遺伝である。 現時点では根治法のない難病であり、対症療法が主となる。電子伝達系(ミトコンドリアが利用する反応経路の一つ)を補うため、ユビキノンやコハク酸の投与を行う場合もある。2006年現在、モデルマウスを用いた研究が行われている。日本では、難病法で診断基準を含めて指定されている。 ミトコンドリア病では筋生検を行うとしばしば、筋鞘膜下に異常なミトコンドリアがたくさん集積した赤色ぼろ線維(ragged red fiber: RRF)と呼ばれるものが見える。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ミトコンドリア病」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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