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ミラーマター : ミニ英和和英辞書
ミラーマター[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ミラーマター : ウィキペディア日本語版
ミラーマター[ちょうおん]
ミラーマター (mirror matter) は、通常の物質に対する仮説上の鏡像パートナーである。これは通常の物質とはパリティが反転しており、パリティ対称性を保存するために導入される。シャドーマター (shadow matter) 、アリスマター (Alice matter) または鏡像物質ともいう。
== 概要 ==
現代物理学で扱う空間対称性には、反射、回転、および並進対称性の三つの基本的な型がある。既知の素粒子は回転および並進対称性を持つが、反射対称性(P-対称やパリティともいう)を持たない。電磁相互作用強い相互作用弱い相互作用、および重力相互作用の四つの基本相互作用の内、弱い相互作用だけがパリティ対称性を破る。
弱い相互作用におけるパリティ対称性の破れは、李政道および楊振寧〔T. D. Lee and C. N. Yang, ''Question of Parity Conservation in Weak Interactions'', Phys. Rev. 104, 254–258 (1956) article , Erratum ibid 106, 1371 (1957) Erratum 〕によって、τ-θ問題の解決策として、1956年に初めて提唱された。彼らは、弱い相互作用がパリティに対して不変かどうかを検証するためのいくつかの実験を示唆した。これらの実験は半年後に実行され、既知の粒子の弱い相互作用はパリティ対称性を破ることが確証された〔C. S. Wu, E. Ambler, R. W. Hayward, D. D. Hopes and R. R. Hudson, ''Experimental test of parity conservation in beta decay'', Phys. Rev. 105, 1413 (1957).〕
〔R. L. Garwin, L.M. Lederman and M. Weinrich, ''Observations of the
failure of conservation of parity and charge conjugation in meson
decays: The magnetic moment of the free muon'', Phys. Rev. 105, 1415 (1957).〕
〔J. J. Friedman and V. L. Telegdi, ''Nuclear emulsion evidence for parity nonconservation in the decay chain \pi^\rightarrow\mu^\rightarrow e^'', Phys. Rev. 105, 1681 (1957).〕。
しかしながら、各粒子が鏡像パートナー(パリティが反転したパートナー)を持つような拡張を行ったら、パリティ対称性を自然の基本的な対称性として回復させることができる。その理論の現代的な形態は1991年に記述された〔R. Foot, H. Lew and R. R. Volkas, ''A model with fundamental improper space-time symmetries'', Physics Letters B272, 67 (1991)〕が、基本的なアイデアの提唱はさらに早い時期まで遡る〔〔I. Kobzarev, L. Okun and I. Pomeranchuk, ''On the possibility of observing mirror particles'', Sov. J. Nucl. Phys. 3, 837 (1966).〕〔M. Pavsic, ''External Inversion, Internal Inversion, and Reflection Invariance'', Int. J. Theor. Phys. 9, 229-244 (1974) preprint .〕。通常の粒子は左巻きの相互作用をするが、ミラー粒子は右巻きの相互作用をすることを除くと、ミラー粒子は通常の粒子と同様にしてお互いに相互作用し合う。この場合、全ての通常の粒子について"ミラー"粒子が存在するという条件で、鏡像反射対称性は自然の厳密な対称性として存在することができることになる。パリティもまた、ヒッグスポテンシャルに依存して自発的に破れることができる〔Z. Berezhiani and R. N. Mohapatra, ''Reconciling Present Neutrino Puzzles: Sterile Neutrinos as Mirror Neutrinos'', Phys. Rev. D 52, 6607-6611 (1995) preprint .〕〔R. Foot, H. Lew and R. R. Volkas, ''Unbroken versus broken mirror world: a tale of two vacua'', JHEP 0007, 032 (2000) preprint .〕。パリティ対称性が破れていない場合、通常の粒子の質量はそれらのミラーパートナーと等しく、パリティ対称性が破れている場合、通常の粒子はミラーパートナーより軽くなるかより重くなる。
ミラーマターは、もし存在するなら、通常の物質と非常に弱く相互作用しなくてはならないだろう。これはミラー粒子間の力はミラーボソン(ボース粒子のミラーパートナー)によって媒介されるためである。重力を除いて、どの既知のボース粒子もそれらのミラーパートナーと同じものではないと考えられている。重力以外の力を経由してミラーマターが通常の物質と相互作用できる方法は、いわゆるミラーボソンの通常の物質との''動力学的混合'' (kinetic mixing) を通した相互作用、またはホロドム粒子の交換を通した相互作用しかない〔http://www.bbc.co.uk/dna/h2g2/A1164052〕。これらは非常に弱い相互作用の形だけしか取ることができない。このため、ミラー粒子は宇宙の中の推測される暗黒物質の候補として示唆されてきた〔S. I. Blinnikov and M. Yu. Khlopov, ''On possible effects of 'mirror' particles'', Sov. J. Nucl. Phys. 36, 472 (1982).〕〔S. I. Blinnikov and M. Yu. Khlopov, ''Possible astronomical effects of mirror particles'', Sov. Astron. 27, 371-375 (1983).〕〔E. W. Kolb, M. Seckel and M. S. Turner, ''The shadow world of superstring theories'', Nature 314, 415-419 (1985).〕〔M. Yu. Khlopov, G. M. Beskin, N. E. Bochkarev, L. A. Pushtilnik and S. A. Pushtilnik, ''observational physics of mirror world'', Astron. Zh. Akad. Nauk SSSR 68, 42-57 (1991) preprint .〕〔H. M. Hodges, ''Mirror baryons as the dark matter'', Phys. Rev. D 47, 456-459 (1993) article .〕。
別の文脈では、ミラーマターは電弱対称性の破れに関与する実効的なヒッグス機構を引き起こすと提唱されている。そのようなシナリオにおいては、ミラーフェルミオン(フェルミ粒子のミラーパートナー)は1 TeVのオーダーの質量を持つ。これは、ミラーボソンのいくつかは通常のゲージ粒子と同一であるが、ミラーフェルミオンは追加的な相互作用をするためである。このモデルと上述のモデルの区別を強調するために、通常これらのミラー粒子はカトプトロンと呼ばれる〔 G. Triantaphyllou, ''Mass generation and the dynamical role of the Katoptron group'', Mod.Phys.Lett.A16:53-62,2001〕〔 G. Triantaphyllou, G. Zoupanos, ''Strongly interacting fermions from a higher dimensional unified gauge theory'', Phys.Lett.B489:420-426,2000 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ミラーマター」の詳細全文を読む




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