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ムシュフシュ(アッカド語:Mušḫuššu, シュメール語: Mušḫuš)は、古代メソポタミアの図像、伝承に登場する霊獣。シュメール語で「恐ろしい蛇」の意。以前はシルシュ (Sirrush) とも読まれていた。現在では、ḫuš は楔形文字では ruš とも読めるが、ムシュフシュのほうがより確実な読みであるとされる〔F.A.M. Wiggermann, Mušḫuššu, ''Reallexikon der Assyriologie'' Bd.8, p.455-56, w:en:Sirrush〕。一般的には毒蛇の頭とライオンの上半身、鷲の下半身、蠍の尾を持つ。 == 出世した竜 == ムシュフシュは本来エシュヌンナの都市神の随獣だった。図像学的には、最初期は非常に首の長い動物として描かれていたようであり、この姿のムシュフシュは古代エジプト美術に影響を与え、紀元前31世紀に作成されたナルメル王が上下エジプトを統一したことを示す「」にも彫り込まれた〔エジプト学では serpo-feline や serpopard などと呼ばれる。〕。 エシュヌンナの守護神がニンアズから〔の原型と考えられているフルリ人(紀元前25世紀)の神にも蛇の随獣 Hedammu がいる。〕に変わるとティシュパクの随獣となった。 そのまましかし、古バビロニア王国のハンムラビ王(紀元前18世紀)がエシュヌンナ市を征服すると、バビロンの都市神マルドゥクとその子ナブーの随獣になった。ナブーの足の下にムシュフシュがいる像が有名である。こうしてバビロニア王国がメソポタミア全域を支配し、マルドゥクやナブーがメソポタミアの最高神になると、それにともないムシュフシュも最高神の随獣として地位を高めることとなった。 紀元前12世紀に編纂されたとされるバビロニアの創世叙事詩『エヌマ・エリシュ』においては、ムシュフシュはマルドゥクと戦うためにティアマト神によって生み出された怪物の一体とされる。ティアマトの討伐後マルドゥクの軍門に下り、乗獣となったという。 新バビロニア時代(紀元前7世紀)に造営されたバビロンのイシュタル門には、天候神アダドの随獣である牡牛とともに四本足を持つ蛇に似た図像のムシュフシュが描かれている。 に捧げられた「グデアの献酒用の瓶」では、有翼の2頭の竜が門柱のような柱を支えており、中央にはカドゥケウスのように棒に巻きついた2匹の蛇が刻まれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ムシュフシュ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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