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ギ酸(ギさん、蟻酸、)は、低級のカルボン酸の一つ。分子式は CH2O2、示性式は HCOOH。IUPAC命名法ではメタン酸 (methanoic acid) が系統名である。カルボキシ基(–COOH)以外にホルミル基(–CHO)も持つため、性質上、還元性を示す。工業的に作られており、水溶液が市販されている。加熱すると発火しやすい。 == 生成方法 == 酢酸生産時の副生成物としてギ酸が得られるが、それだけでは不足するため他の方法を用いたギ酸の生成も行われている。 メタノールと一酸化炭素を強塩基存在下で反応させると、ギ酸メチルが生成する。 : CH3OH + CO → HCOOCH3 工業的にはこの反応は高圧液相下で行われる。典型的な反応条件は 80 ℃、40気圧でナトリウムメトキシドを用いるというものである。ギ酸メチルを加水分解するとギ酸が生成する。 : HCOOCH3 + H2O → HCOOH + CH3OH しかしながらメチルエステルの加水分解を効率的に進行させるには大過剰の水が必要であるため、他の化合物を経由した加水分解も行われている。ギ酸メチルをアンモニアと反応させホルムアミドを生成後、ホルムアミドを硫酸で加水分解するというものである。 : HCOOCH3 + NH3 → HCONH2 + CH3OH : HCONH2 + H2O + ½H2SO4 → HCOOH + ½(NH4)2SO4 この方法では硫酸アンモニウムが副生成物として生成してしまうという問題点がある。このため近年、製造業者はエネルギー効率向上の観点から、ギ酸メチルを直接加水分解した後の大過剰の水からギ酸を取り出す技術を開発している。例としてBASF社の、有機塩基を用いて抽出するという手法が挙げられる。 また高圧下で水酸化ナトリウムに一酸化炭素を反応させ、ギ酸ナトリウムをつくり、これを塩酸で分解しても得られる。これらの反応から一酸化炭素はギ酸の無水物とも見做される。 : NaOH + CO → HCOONa 濃縮したいときは次のようにする。 # 水溶液を強く冷却し、ギ酸の結晶を析出させる。 # 精留塔で分離する。 # ギ酸プロピルを混ぜて蒸留すると、蒸留液は二層に分かれる。このうちギ酸プロピルの層を蒸留すると、純ギ酸が得られる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ギ酸」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Formic acid 」があります。 スポンサード リンク
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