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モスクワ数学パピルス(モスクワすうがくパピルス、Moscow Mathematical Papyrus)は、古代エジプトの数学文書。エジプト学者ウラジーミル・セミョーノヴィチ・ゴレニシチェフ(, Vladimir Goleniščev)が1893年にエジプトからロシアに持ち帰った。もとはテーベ付近のネクロポリス、ドゥラ・アブ・アル=ナーガ(Dra Abu el-Naga)にあった〔Heinz-Wilhelm Alten: ''4000 Jahre Algebra'', Heidelberg, Springer, 2003. Seite 12〕。ゴレニシチェフが当初所有していたことから ゴレニシチェフ数学パピルス(Golenischev Mathematical Papyrus)とも呼ばれる。その後1911年にモスクワのプーシキン美術館に他の古代エジプト文物とともに寄贈され、今もそこにある。4676番という所蔵番号からモスクワ4676パピルスとも呼ばれる〔http://www.meritneith.de/maths-papyri.htm Guy Rachet: ''Lexikon des Alten Ägypten'', Neuausgabe 2002, Patmos Verlag, ISBN 978-3-491-69049-3〕。 ヒエラティックで書かれた古文書であり、エジプト第11王朝時代のものとされている。長さ約5m50cm、幅は4cmから7.5cmで、ソビエト連邦の東洋学者ヴァシーリー・ヴァシーリエヴィチ・シュトルーヴェ(Vasily Vasilievich Struve〔Struve V.V., (1889-1965), orientalist :: ENCYCLOPAEDIA OF SAINT PETERSBURG 〕) が1930年、25の数学問題とその解法ごとに切断した〔Struve, Vasilij Vasil'evič, and Boris Turaev. 1930. ''Mathematischer Papyrus des Staatlichen Museums der Schönen Künste in Moskau''. Quellen und Studien zur Geschichte der Mathematik; Abteilung A: Quellen 1. Berlin: J. Springer〕。リンド数学パピルスと共に古代エジプトの数学文書として有名である。モスクワ数学パピルスの方が古いが、リンド数学パピルスの方が大きい〔''Great Soviet Encyclopedia'', 3rd edition, entry on "Папирусы математические", オンライン版はこちら 〕。 == 第10問題: 半球の表面積 == モスクワ数学パピルスの第10問題は、半球の表面積を問う問題である。曲面の面積の近似値を求める問題としては最も古い問題の1つである。 次のような例が書かれている。「かご(半球)の(表面積の)計算例。半球の開口部(の直径)は 4 + 1/2(の比率)。表面は? かごは卵形の半分(半球)なので、9の1/9を求める。すなわち1が得られる。(9から引いて)残りを計算すると8。8の1/9を計算する。2/3 + 1/6 + 1/18 が得られる。8からこれを引いた残りを求める。2/3 + 1/6 + 1/18 を引くと 7 + 1/9 が得られる。7 + 1/9 と 4 + 1/2 をかけると32が得られる。これが表面(積)である」〔Williams, Scott W. Egyptian Mathematical Papyri 〕 この計算を式に表すと次のようになる(''d''は直径)。 : 一方、正しい半球面の表面積は次のようになる。 : 以上から、古代エジプト人は円周率の近似値として、次の値を使っていたことがわかる。 : 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「モスクワ数学パピルス」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Moscow Mathematical Papyrus 」があります。 スポンサード リンク
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