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モミ属(学名:''Abies'')は、マツ科の属の1つで、北半球の寒冷地から温帯にかけて、約40種が分布する。 == 形態 == 樹形は生育条件にも左右されるが、円錐状のクリスマスツリー形となることが多い。幹の同じ高さから輪を描くように枝を四方八方に出す(輪生)。樹皮は灰白色から褐色のものが多く、若いうちは平滑で成長するにつれて鱗状に細かく割れる種が多い、中にはかなり高齢でも平滑なままの種や縦に割れる種もある。一般にはマツ属(''Pinus'')の大多数の種ほど樹皮が発達し深く割れることは無い。若い平滑な樹皮にはサクラやカンバの皮目のような横筋模様が目立つ。これは呼吸目的の皮目とは異なり樹皮直下に樹脂が溜まったものでヤニ玉、ヤニ袋などと呼ばれる。 File:Abies alba Schleus Berg b Suhl ThW Th Dreger.jpg|樹形''A. alba'' File:Abies sibirica HDR.jpg|樹形''A. sibirica'' File:Visokata ela IMG 4182.jpg|樹皮は細かく浅く鱗状に割れる''A. borisii-regis'' File:Abies balsamea 0145.jpg|若木の樹皮は平滑''A. balsamea'' File:Abies magnifica bark and trunk.JPG|赤みの強い''A. magnifica''の樹皮 File:PacificSilverFir 7645.jpg|皮目のようなヤニ玉 ''A. amabilis'' 枝はマツ属(''Pinus'')やヒマラヤスギ属(''Cydrus'')などと違い長枝と短枝の区別はなく、葉は長枝のみに付き形は針状で生え方は散生で何れも常緑、葉の感じはトウヒ属(''Picea'')に似るが、葉の付く部分の枝に凹凸(葉枕)は発達しない〔北村四郎・村田源.1979.原色日本植物図鑑 木本編2. 保育社. 大阪.〕。葉の付き方も種によって異なり、中には枝が見えないほどびっしりと立体的に密に葉を付ける種もある。若い枝には毛が生える種もある。 File:Momi-hinokiboramaru.JPG|枝は同一高から四方八方に伸びる''A. firma'' File:Abies balsamea 007-009.jpg|葉は長枝に散生''A. balsamea'' File:Abies alba Zweig Detailaufnahme.jpg|葉の根元に葉柄や葉枕はない。この種は葉先が凹む''A. alba'' File:Abies mariesii3.JPG|枝を隠すほど葉が密に付く種もある ''A. mariesii'' File:Abama-twig.jpg|枝の拡大写真。この種は茶色い毛が密生する ''A. amabilis'' 雄花は小さなラグビーボール形で多数群生して生え、この点はマツ属と似ている。トウヒ属、ツガ属(''Tsuga'')の各種は雄花は一か所に付き一つしか形成されない〔。雌花は枝の先端に上向きに形成され、受粉後上向きに立ったまま球果になる。若い球果の色は黒色、緑色、褐色など様々であり、熟した時にも褐色になるものと黒色になるものに大別される。熟すると樹上で鱗片が剥がれ落ちて分解し、種子を散布する。この点はヒマラヤスギ属と似ているが、ヒマラヤスギ属は短枝が発達しモミ属とは葉の付き方が異なる。そのために松ぼっくりのように球果の形で地上に落ちることはなく、球果のあった場所には枝の先に球果の芯だけが突き出した針のような形で残る(従って、地上でモミ属の球果を拾い上げる機会はまずない)。 File:Abies pinsapo pollen.jpg|群生する雄花 ''A. pinsapo'' File:Abies balsamea pollen cones1.jpg|古い雄花''A. balsamea'' File:Abies koreana cone.jpg|''A. koreana''の球果。苞鱗が飛び出てトゲトゲした外観。 File:Abies alba R1.JPG|''A. alba''の若球果。緑色でこれも苞鱗が飛び出る種 File:Abies concolor cones.jpg|''A. concolor''の球果。色や形は様々 File:Abies cone & bits.jpg|モミ''A. borissi-regis''の球果を軸と鱗片と種子に分解したところ File:Manchurian Fir Abies holophylla disintegrating cones.jpg|樹上で分解中の球果 File:Norway Spruce cone.jpg|【参考】トウヒの一種''P. abies''の球果。枝から垂れ下がる 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「モミ属」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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