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「モルグ街の殺人」(モルグがいのさつじん、''The Murders in the Rue Morgue'')は、1841年に発表されたエドガー・アラン・ポーの短編推理小説。ポー自身が編集主筆を務めていた『グレアムズ・マガジン』4月号に掲載された。史上初の推理小説とされており〔Silverman, p.171.〕、天才的な探偵と平凡な語り手、結末近くでの推理の披露、意外な犯人像など、以後連綿と続く推理小説のジャンルにおける原型を作り出した〔江戸川、421-424頁。〕〔Meyers, Jeffrey (1992). Edgar Allan Poe: His Life and Legacy. New York: Cooper Square Press, p.123. ISBN 0815410387〕。密室殺人を扱った最初の推理小説とも言われている〔Silverman, p.174.〕。 本作の素人探偵C・オーギュスト・デュパンは、半世紀後に出現するシャーロック・ホームズの原型となった探偵であり、デュパンが登場する続編として「マリー・ロジェの謎」(1842年-1843年)、「盗まれた手紙」(1845年)がある。 == あらすじ == パリに長期滞在している、名前が登場しない語り手は、ある日モンマルトルの図書館で、没落した名家の出であるC・オーギュスト・デュパンという人物と知り合う。語り手は、幅広い読書範囲と卓抜な観察力、分析力を持つデュパンにほれ込み、やがてパリの場末の古びた家を借りて一緒に住むことになる。デュパンは、ある晩、街を歩いているとき、語り手が黙考していたことをズバリと言い当てて語り手を驚かせたが、その推理過程を聞くと非常に理にかなったものであった。 そんなとき、ある猟奇殺人の新聞記事が二人の目に止まる。「モルグ街」のアパートメントの4階で起こった事件で、二人暮らしの母娘が惨殺されたのだった。娘は首を絞められ暖炉の煙突に逆立ち状態で詰め込まれていた。母親は裏庭で見つかり、首をかき切られて胴から頭が取れかかっていた。部屋の中はひどく荒らされていたが、金品はそのまま。さらに奇妙なことに、部屋の出入り口には鍵がかかっており、裏の窓には釘が打ち付けられていて、人の出入りできるところがなかった。また多数の証言者が、事件のあった時刻に犯人と思しき二人の人物の声を聞いており、一方の声は「こら!」とフランス語であったが、もう一方の甲高い声については、ある者はスペイン語、ある者はイタリア語、ある者はフランス語だったと違う証言をする。 この謎めいた事件に興味をそそられたデュパンは、伝手で犯行現場へ立ち入る許可をもらい、独自に調査を行う。語り手は新聞に発表された以上のことを見つけられなかったが、デュパンは現場やその周辺を精査に調べ、その帰りに新聞社に寄ったのち、警察の表面的な捜査方法を批判しながら、語り手に自分の分析精神を交えつつ推理過程を語りだす。玄関の鍵は完全、秘密の抜け穴もない。煙突は通れない。表の窓は人目につかず出入りするのは無理。ならば犯人が逃げたのは裏の窓しかない。あとはこの裏の窓から逃げたということを証明するだけなのだ。裏の窓は釘で固定されているように見えたが、案の定、釘は中で折れていて実は窓は開くのだった。そしてその窓からやや遠くには避雷針が通っている。ならば犯人はこの避雷針を伝って出入りしたのに間違いない。さて、こんな危ない経路を通った超人的身のこなしと、何語か分からぬ声と、金品の放置、意味不明に見える死体の残酷な扱いなどを考え合わせるとどうなるか? デュパンは現場に落ちていた毛を語り手に示し、犯人は人間でなくオランウータンだと結論づける。デュパンが先ほど新聞社に寄ったのはオランウータンを捕まえたが持ち主は名乗り出るようにとの新聞広告を出すためであった。そこに1人の船乗りが現われ、珍獣として一儲けしようとボルネオで捕獲したオランウータンが逃げ出して、犯行を行ったことを白状する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「モルグ街の殺人」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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