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モールの定理 : ミニ英和和英辞書
モールの定理[もーるのていり]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
定理 : [ていり]
 【名詞】 1. theorem 2. proposition
: [り]
 【名詞】 1. reason 

モールの定理 : ウィキペディア日本語版
モールの定理[もーるのていり]

モールの定理(モールのていり、)は構造力学における定理の一つ。はり部材たわみを図を用いて簡易に導出するのに利用される。
モールの定理自体は、共役ばり(きょうやくばり、〔山本・久保『わかりやすい構造力学(Ⅰ)』、p.126。〕)と呼ばれる仮想的に設定するはりに、弾性荷重(だんせいかじゅう、)と呼ばれる元のはりに作用している曲げモーメントから生成される仮想的な荷重を加えると、その曲げモーメントとせん断力がそれぞれ元のはりのたわみとたわみ角に一致するという定理のことを指す〔宮本ほか『構造工学』、p.99。〕。
このモールの定理を用いると、微分方程式を直接解いたりエネルギー保存則を利用することなくはりのたわみを求めることが出来る〔』">崎本『構造力学 、p.151。〕。このようにして、はりの変形を求める方法を弾性荷重法(だんせいかじゅうほう、)〔、あるいはモールが考えた方法共役ばり法と呼ぶ〔。
== 概要 ==
ある分布荷重pが載荷されているはり部材のたわみvは、4階の微分方程式(弾性曲線方程式EI v' = pで表される〔』">崎本『構造力学 、p.153。〕。
ゆえに、この微分方程式を直接的に解けば、はりのたわみを求まる。
しかし、微分方程式を解かずとも、以下のように考えれば、この微分方程式を直接解くことなくたわみを求めることができる〔』">崎本『構造力学 、pp.160-161。〕。

まず、たわみv、たわみ角\theta、曲げモーメントMQは、それぞれ、v'=\theta\theta'=-M/EIM'=Q、せん断力Q'=-pという関係がある〔〔米田(2003)、p.149。〕ことを確認しておく。
すると、弾性曲線方程式を(1)M'' = -pと(2)EI v'' = -Mの2段階に分けることができる。
この時、(1)は与系〔問題として与えられた(設定された)条件や状態全体のこと〕の曲げモーメントを力の釣り合いなどによって求めて簡易に解決できる。
一方、(2)において、z = M/EIとすると、v'' = -zと記号が違うだけで(1)と同じ形に変形できる。
ゆえにzを新しい荷重(弾性荷重〔岡村『構造力学 (I)、p.171。〕もしくはz荷重と呼ばれる〔』">崎本『構造力学 、p.161。〕)としてはりに作用させ、(1)と同様に力の釣り合いなどから曲げモーメントに相当する量\overline M〔文字上のオーバーラインは、共役ばりの断面力であり、「相当量」であることを示す記号。〕を求めると、これがそのままたわみと等しくなる。また、たわみ角\theta = v'であり、せん断力Q = M'であることを考慮すると、弾性荷重に対するせん断力に相当する量\overline Q〔が、たわみ角と等しくなる。
これらの関係を整理すると表1のようになる。

この定理は、1868年に の会報である''『ハノーファー建築家・技術者連合誌』'' (''""'') にて、により発表されたもので、モール自身はこの方法を変断面はりのたわみを求めるのに有効であると述べている〔ティモシェンコ『材料力学史』、p.256-258。〕。
また、この発見について、ステパーン・ティモシェンコは、モールの応力円と共に、モールの材料力学に対する大きな功績として挙げている〔。
現代においては、はりのたわみなどを求める構造計算は、計算機を用いることが主流であり、弾性曲線方程式を数値的に解いたり、有限要素法などを用いてはり部材の仮定を用いず直接に構造物の変形を計算することが多い。
そのため、現代において、実務でモールの定理(弾性荷重法)が用いられることは殆どないが、構造力学の基礎として大学学部・高等専門学校工業高校などで学ばれている。 = pで表される〔』">崎本『構造力学 、p.153。〕。
ゆえに、この微分方程式を直接的に解けば、はりのたわみを求まる。
しかし、微分方程式を解かずとも、以下のように考えれば、この微分方程式を直接解くことなくたわみを求めることができる〔』">崎本『構造力学 、pp.160-161。〕。

まず、たわみv、たわみ角\theta、曲げモーメントMQは、それぞれ、v'=\theta\theta'=-M/EIM'=Q、せん断力Q'=-pという関係がある〔〔米田(2003)、p.149。〕ことを確認しておく。
すると、弾性曲線方程式を(1)M'' = -pと(2)EI v'' = -Mの2段階に分けることができる。
この時、(1)は与系〔問題として与えられた(設定された)条件や状態全体のこと〕の曲げモーメントを力の釣り合いなどによって求めて簡易に解決できる。
一方、(2)において、z = M/EIとすると、v'' = -zと記号が違うだけで(1)と同じ形に変形できる。
ゆえにzを新しい荷重(弾性荷重岡村『構造力学 (I)、p.171。〕もしくはz荷重と呼ばれる〔』">崎本『構造力学 、p.161。〕)としてはりに作用させ、(1)と同様に力の釣り合いなどから曲げモーメントに相当する量\overline M〔文字上のオーバーラインは、共役ばりの断面力であり、「相当量」であることを示す記号。〕を求めると、これがそのままたわみと等しくなる。また、たわみ角\theta = v'であり、せん断力Q = M'であることを考慮すると、弾性荷重に対するせん断力に相当する量\overline Q〔が、たわみ角と等しくなる。
これらの関係を整理すると表1のようになる。

この定理は、1868年に の会報である''『ハノーファー建築家・技術者連合誌』'' (''""'') にて、により発表されたもので、モール自身はこの方法を変断面はりのたわみを求めるのに有効であると述べている〔ティモシェンコ『材料力学史』、p.256-258。〕。
また、この発見について、ステパーン・ティモシェンコは、モールの応力円と共に、モールの材料力学に対する大きな功績として挙げている〔。
現代においては、はりのたわみなどを求める構造計算は、計算機を用いることが主流であり、弾性曲線方程式を数値的に解いたり、有限要素法などを用いてはり部材の仮定を用いず直接に構造物の変形を計算することが多い。
そのため、現代において、実務でモールの定理(弾性荷重法)が用いられることは殆どないが、構造力学の基礎として大学学部・高等専門学校工業高校などで学ばれている。
== 共役ばり ==
モールの定理により、弾性荷重を作用させたはりの、曲げモーメント相当量\overline Mとせん断力相当量\overline Qを求めることが出来れば、与系のたわみとたわみ角が求まる〔。
しかし、元の弾性曲線方程式には、支点などによって設定されたたわみとたわみ角の境界条件があることを考えれば、弾性荷重を作用させるはりも、同等の境界条件を曲げモーメント相当量とせん断力相当量が満たしていなければならない〔山本・久保『わかりやすい構造力学(Ⅰ)』、p.125。〕。
このように境界条件を満たすために仮想的に考えられたはりを、共役ばりといい、与系のはりと共役ばりの変位と断面力を対応させて変換することで作ることができる〔。
代表的な与系の条件に対する共役ばりの条件は表2のようになり、この変換表を代表的なはりに適用すると表3のようになる。
このように、単純ばりは同じ単純ばりのままだが、片持ちばりでは左右が逆になり、ゲルバーばりはヒンジの位置が変わるなど、与系のはりと共役ばりでは異なるはりとなる〔岡村『構造力学 (I)、p.172。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「モールの定理」の詳細全文を読む




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