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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
「ユー・リアリー・ガット・ミー」(You Really Got Me)は、ロックバンド、キンクスの楽曲。レイ・デイヴィス作。1964年の8月にシングルが発売され、全英ナンバー1に輝いた。この曲のヒットでバンドはブレイクを果たし、アメリカのチャート7位を記録し、ブリティッシュ・インヴェイジョンの代表的バンドのひとつとしての地位を確立した。その後、この曲はデビュー・アルバム「キンクス」に収録された。 「ユー・リアリー・ガット・ミー」はパワーコードによって成立しているヒット曲の嚆矢であり〔Walser, Robert (1993). ''Running with the Devil: Power, Gender, and Madness in Heavy Metal Music'', p.9. Wesleyan University Press. ISBN 0819562602.〕、後のロックンロール(特にヘヴィメタル)のミュージシャン達に非常に大きな影響を与えた。アメリカの音楽学者 ''Robert Walser'' は、この曲を「ヘヴィメタルを発明した作品」だといい〔、オールミュージックの ''Denise Sullivan'' も「『ユー・リアリー・ガット・ミー』は、ハードロックとヘヴィメタルにとって理想の曲であり続ける」と記している〔Review of "You Really Got Me" , Denise Sullivan, Allmusic, All Music.com 〕。 『ローリング・ストーン(Rolling Stone)』誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・ソング500」と「オールタイム・グレイテスト・ギター・ソングス100」に於いて、それぞれ80位〔〕と4位〔〕にランクイン。 ==歴史== 「ユー・リアリー・ガット・ミー」は1964年の夏に録音されたが、この形に落ち着くまで様々なスタイルで演奏され試行錯誤が繰り返された。当時のキンクスは、それまでに出した2枚のシングルがチャート入りせず、ヒットを望む所属レコード会社のパイから大変なプレッシャーを受けていた。特にレイ・デイヴィスは、マネージャーやレコード会社に対して、画期的なサウンドとスタイルを作り出すために必要な時間と費用の提供を粘り強く働きかけていた。この曲を作るための作業を通じて、レイ・デイヴィスはバンドのリーダー、そして中心的なソングライターとしての実質を備えていった。 後のロックに大きな影響を与えたギターのディストーションサウンドは、ギタリストのデイヴ・デイヴィスがギターアンプについているスピーカーの振動板を剃刀で切り裂き、ピンで突き刺したことによって得られたものである〔。このアンプは、デイヴィスが近所の楽器屋で購入したエルピコ社製のアンプの名前からとって"リトル・グリーン"の愛称で呼ばれていた。 この曲のギターソロに関する逸話は、ロックンロールの歴史の上でもっとも論議を呼びやすいもののひとつで、今日まで延々と繰り返され続けている。つまり、ギターソロを演奏しているのはキンクスのリードギタリスト デイヴ・デイヴィスではなく、当時セッションプレイヤーだったジミー・ペイジだったのではないかという噂である。この曲に熱中する多くの人々が主張してきたように、ギターソロはデイヴ・デイヴィス本人(当時17歳だった)が実際に演奏したものだと言われている。しかしそれでも、「ギターソロはジミー・ペイジによるもの」という噂は何十年にも亘り、広まり続けてきた〔http://www.rockhall.com/inductees/led-zeppelin Rock and Roll Hall of Fame: Led Zeppelin〕。 実際のところ、ペイジはキンクスのプロデューサー シェル・タルミーに雇われ、キンクスのファースト・アルバム「キンクス」の中の一部の曲にリズムギタリストとして参加していた。しかし、ペイジの参加したセッションは「ユー・リアリー・ガット・ミー」のセッションから数週間後に行なわれているのである。ペイジはいつも、この曲のギターソロを演奏したというエピソードを否定している。1977年のインタビューでは、「俺は『ユー・リアリー・ガット・ミー』では演奏していないよ。そんな噂は彼(レイ・デイヴィス)を怒らせる」とまで話している。 ロック歴史家の''Doug Hinman''は、この噂をでっち上げ、広めたのはイギリスのリズムアンドブルースミュージシャン達ではないかという説を提唱している。彼らの多くは、キンクスのようなティーンネイジャーの成り上がりバンドが、ここまでパワフルで、影響力を持ちうるブルースベースの楽曲を作り出せるわけがないと憤っていたのである。 「ユー・リアリー・ガット・ミー」のレコーディングには、何人かのセッションプレイヤーが参加している。ピアノは、ディープ・パープルのジョン・ロード〔Jon Lord Official Fan Site - Pictured Within www.picturedwithin.com〕か、アーサー・グリーンスレイドによるものである〔 Ray Davies Unravels The Kinks Interview, Bill Holdship, CREEM Magazine , December 1981. Retrieved 2009-09-29〕。またレイ・デイヴィスは、自分のリズムパートをダブリング録音するために「Vic」というセッションギタリストが参加していたが、彼はペイジとは別人だったとインタビューで応えている。ドラムのパートは、プロデューサーのシェル・タルミーの指示により、キンクスのメンバーであるミック・エイヴォリーではなく、セッションドラマーのボビー・グレアムが叩いている。グレアムは初期キンクスのレコーディングでメインのドラムパートを演奏し続けた。面白いことに、ジョン・ロードもシェル・タルミーも「ユー・リアリー・ガット・ミー」のセッションにジミー・ペイジが参加していたと主張している。タルミーによればペイジはリズムギター〔Full interview transcript with Shel Talmy, producer of the Who and Kinks , Richie Unterberger, richieunterberger.com 〕、ロードによればギターソロを担当したという〔Jon Lord's Purple Reign Joe Lalaina, Modern Keyboard Magazine, January, 1989 〕。 レイ・デイヴィスによれば、この曲の特徴的なリフはキングスメンの曲「ルイ・ルイ」を弾いているときに思いついたのだという。歪ませたギターでリフを弾く手法は、「オール・オブ・ザ・ナイト」「ウェイティング・フォー・ユー」「セット・ミー・フリー」などといった、その後のキンクスの楽曲でも使い続けられている。ザ・フーのピート・タウンゼントは、ザ・フーの最初のシングル「アイ・キャント・エクスプレイン」は、当時のキンクスのサウンドに意図的に似せたものだと話している(ザ・フーも、シェル・タルミーのプロデュースを受けていた)。 キンクスは、30年以上に亘る活動の中、様々なスタイルの音楽を発表してきたが、コンサートではいつも「ユー・リアリー・ガット・ミー」が演奏されてきた。レイ・デイヴィスとデイヴ・デイヴィスも、ソロ名義でのコンサートで(大抵は締めくくりの曲として)この曲を演奏しつづけている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ユー・リアリー・ガット・ミー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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