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ヨウスコウカワイルカ(揚子江河海豚、''Lipotes vexillifer'')は淡水に生息するイルカで、長江(揚子江)の固有種である。ハクジラ亜目ヨウスコウカワイルカ科ヨウスコウカワイルカ属に分類され、本種のみでヨウスコウカワイルカ科ヨウスコウカワイルカ属を形成する。Baiji()、Beiji、Pai-chi、Whitefin Dolphin(白ひれイルカ)、Whiteflag Dolphin(白旗イルカ)、Yangtze Dolphin、Yangtze River Dolphin などと呼ばれている。 ==概要== 淡水に生息するイルカは世界に4種が知られており、ヨウスコウカワイルカはその中の1種である。他の3種は、南米のアマゾン川およびラプラタ川に生息するアマゾンカワイルカとラプラタカワイルカ、インド亜大陸のガンジス川やインダス川に生息するインドカワイルカである。 紀元前3世紀ごろに書かれた中国の辞典である『爾雅』にヨウスコウカワイルカに関する記述があり、当時の生息数は約5,000頭と推定されている。中国の伝統的な物語において、ヨウスコウカワイルカは、愛していない男との結婚を拒否して家族に溺死させられた姫の生まれ変わりとして描かれている。また平和と繁栄の象徴と考えられ、「長江女神」、すなわち「長江の女神」の愛称でも呼ばれている。 ヨウスコウカワイルカの個体数は、中国の工業化、魚の乱獲、船舶による水上輸送、水力発電(ダム建設)などの影響により激減しており、三峡ダムの建設は、ヨウスコウカワイルカの生息環境に対し致命的な被害を与えている。本種を保護する努力は行われているが、2006年の大規模な調査でも生息の確認はできなかったため絶滅の可能性が指摘されている〔〔IUCN, "Extinction crisis escalates: Red List shows apes, corals, vultures, dolphins all in danger" Sep. 12, 2007.〕。ヨウスコウカワイルカが絶滅した場合、1950年代のニホンアシカやカリブモンクアザラシの絶滅以来の水生哺乳類の絶滅とされ、クジラ類の中のよく研究されている種においては、人間が絶滅の直接要因となった初めての例となる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヨウスコウカワイルカ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Baiji 」があります。 スポンサード リンク
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