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ヨルズ(古ノルド語:Jörð, 「大地」の意)とは、北欧神話に登場する女神である。『ギュルヴィたぶらかし』ではアース神族の一人に数えられている。ヨルズは一般に大地の化身と考えられている。後述するようにフロージュン (Hlóðyn) およびフィヨルギュン (Fjörgyn) と同一視される〔なお『ギュルヴィたぶらかし』および『ロキの口論』で言及される、フリッグの親とされるフィヨルギュン (Fjörgynn) は別人である。詳細はフィヨルギュン参照。〕。 == 概要 == 『ギュルヴィたぶらかし』によると、ヨルズはオーディンの妻の一人で、トールの母であるという〔『エッダ 古代北欧歌謡集』231頁。〕。またオーディンが「万物の父」であるがゆえに、ヨルズはオーディンの妻であると同時に「娘」であるともされている。また『ギュルヴィたぶらかし』〔『エッダ 古代北欧歌謡集』232頁。〕や『詩語法』では、ヨルズはアンナルとノーットの娘であり、アウズとダグの異父兄弟とされている。 『巫女の予言』にその名前が登場するフロージュンとフィヨルギュンもまた、オーディンの子であるトールの母とされている〔『エッダ 古代北欧歌謡集』14頁。〕ため、ヨルズに同一視される。また『詩語法』では「大地」の言い換えとして、「ヨルズ」と並び「フロージュン」「フィヨルギュン」が挙げられている〔『「詩語法」訳注』89-91頁。〕。 『詩語法』では、ヨルズを表すケニングとして、「トールの母」「シヴの義母」「オーナル(アンナル)の娘」「ノーットの娘」「アウズの姉妹」「ダグの姉妹」「オーディンの花嫁」「フリッグのライバル」「リンドのライバル」「グンロズのライバル」「ユミルの肉」(すなわち「大地」)、「風の館の床または底」「獣たちの海」が挙げられている〔『「詩語法」訳注』33-34頁。〕。またトールのケニングとして「ヨルズの子」というものも挙げられている〔『「詩語法」訳注』17頁。〕。 ヨルズという言葉は、古ノルド語で「大地」を指す一般名詞であった。またこの語は現在の北欧諸語における同義語の祖語となっており(アイスランド語の ''jörð'', フェロー語の ''jørð'', デンマーク語・スウェーデン語・ノルウェー語の ''jord'')、また英語の earth の同根語ともなっている。 フィヨルギュンという言葉は、ゴート語の ''fairguni'' (山)や古英語の ''firgen'' (山の森)、そしてバルト・スラヴ族(en) の雷神 ''Perkunos'' (en) と同根語であると考えられている。これは、ゲルマン神話においては新世代の雷神 '' *Þunraz'' の祖父、あるいは雷の化身としてしばしば登場する、原インド・ヨーロッパ人(en) の(あるいは少なくとも北部地域のバルト=スラヴ=ゲルマン人の)雷神を指す言葉である、インド・ヨーロッパ祖語の '' *Perk(w)'' を説明できるかもしれない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヨルズ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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