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ラネル酸ストロンチウム (Strontium ranelate)はラネル酸のストロンチウム塩であり、骨粗鬆症治療薬である。仏セルヴィエ社によってプロテロス (Protelos)、プロトス (Protos)等の名称で販売されている。膝の骨関節炎に有効であるとの研究も有る。現在のところ、骨形成の促進・骨吸収の阻害双方の作用を持つ薬剤(dual action bone agent, DABA)としてはほぼ唯一のものである。2013年、無作為化臨床試験で心筋梗塞のリスク上昇が見られたと発表された。同発表では、ラネル酸ストロンチウムは閉経後女性の重度の骨粗鬆症についてのみ使用すべきとされた〔http://www.imb.ie/EN/Publications/Publications/Protelos-strontium-ranelate-Important-Safety-Information-from-Servier-as-approved-by-the-Irish-Medicines-Board.aspx〕。欧州ファーマコビジランス評価委員会(PRAC)は、心筋梗塞リスクを踏まえた危険便益評価を実施してから用いるべきであるとした。2014年2月には、欧州EMAは心疾患を持つ患者へのラネル酸ストロンチウムの使用を制限するとした。 == 作用機序 == ストロンチウムは第2族元素で、周期表ではカルシウムの下に位置する。カルシウムと性質が類似するため、骨・歯のエナメル質のカルシウムと置き換わる。臨床試験においては、このことで骨の成長が促され、骨密度が増加し、椎骨・末梢骨・女性では股関節の骨折が減少した。 ラネル酸ストロンチウムはカルシウム感知受容体を刺激し、前骨芽細胞を骨芽細胞に分化させ、骨形成を促進する。さらに、骨芽細胞からオステオプロテゲリンを分泌させることで破骨細胞分化因子の働きを阻害し、RANKLを介して前破骨細胞の破骨細胞への分化を妨げることで骨吸収を阻害する。この双方の作用により骨代謝のバランスを骨形成の方へと傾ける。これはコリン安定化オルトケイ酸の効果に似ている。 ほとんどの薬剤は、その薬理学的作用をアニオンに依存するのに対し、ラネル酸ストロンチウムはカチオンに依存する点が特徴的である。他のカチオン性薬剤にはヒ素・水銀・ビスマス・リチウムなどのイオンがあるが、現在ではあまり使用されない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ラネル酸ストロンチウム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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