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ラブリュス : ミニ英和和英辞書
ラブリュス[らぶ]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

ラブ : [らぶ]
 【名詞】 1. (abbr) lab 2. laboratory 3. love 4. (n) (abbr) lab/laboratory/love

ラブリュス : ウィキペディア日本語版
ラブリュス[らぶ]

ラブリュス(、)とは、対称形の両刃を指す用語である。古代ギリシアではペレクス (, pelekus) またはサガリス (sagaris)、古代ローマではビペンニス (bipennis) としても知られていた〔片刃斧は「半ペレクス」を意味する ''hēmipelekys'' と呼ばれていた。例えば、イーリアス 23.883〕。
両刃は今日でも北米などで林業の道具として使われている。古代、ラブリュスに象徴的意味が付与されるまでは〔"Just as the bishop's crozier is derived from the functional shepherd's crook," according to A. Trevor Hodge, "The Labrys: Why Was the Double Axe Double?" ''American Journal of Archaeology'' 89.2 (April 1985:307-308) p 307.〕、木を切り倒す道具として、また武器としても使われてきた〔The functions of Neolithic stone axeheads are discussed by Marija Gimbutas, "Battle axe or cult axe?", ''Man'' 53 (April 1953:51-54). 〕。ラブリュスに象徴性を持たせたのはミノアトラキアギリシアの宗教や神話や芸術であり、青銅器時代中期から始まって東ローマ帝国の時代までその象徴性が維持された。ラブリュスはアフリカの宗教的象徴や神話としても登場する(シャンゴを参照)。
== 語源 ==
オックスフォード英語辞典によれば "labrys" を英語で初めて使ったのは ''Journal of Hellenic Studies'' に掲載されたアーサー・エヴァンズの論文(1901年)である。
ラブラウンダのようなカリアの聖地の名称の解釈としては、文字通りの感覚で「聖なるラブリュスの地」とするのが自然に思われる。ラブリュスはリディア(またはカリア)の名詞で、ギリシア語のまたは両刃斧を意味する。……かなり後のカリアの硬貨には、長い柱のような持ち手のあるラブリュスが描かれたものがあり、一種の宗教的意味を持っていた。〔A.J. Evans, "Mycenaean tree and pillar cult and its Mediterranean relations", ''Journal of Hellenic Studies'' XXI, pp 108, 109.〕

もともとギリシア語ではない「ラブリュス」を最初に使ったのはプルタルコスで、斧を意味するリディア語としてだった。
ヒッポリュテーを殺害した際、ヘーラクレースは彼女の斧を腕ごと切り落とし、それをオムパレーに与えた。オムパレーの後を継いだリディアの王はこの斧を執務室の神聖な記章の1つとして代々受け継ぎ、カンダウレスまで継承した。しかしカンダウレスはこの斧が気に入らず、部下の1人に与えてしまった。ギュゲスが反乱を起こしてカンダウレスと戦争状態になったとき、ミュラサのアルセリスがギュゲスを助けるため一軍を率いてやってきた。そしてカンダウレスとその仲間を倒すと、アルセリスはあの斧を他の戦利品と共にカリアに持ち帰った。そしてゼウスの像を作り、その斧を像の手に持たせ、これをラブランデスと呼んだ。''labrys'' はリディア語で「斧」を意味する。〔 プルタルコス、『モラリア』, 45 2.302a. 〕

考古学的証拠によれば、ラブラウンダ (Labraunda) における「ゼウス・ラブラウンデオス」の信仰はプルタルコスが想像したよりずっと古い。明らかに同系の言葉として "labyrinth"(迷宮)があるが、これは外来語としてギリシア語に導入されたもので、プルタルコスの具体的記述がなければその語源やどの言語発祥の言葉なのかといったことは全く知ることができなかっただろう。外来語である "labyrinth" はギリシア語として使われたが、クノッソスの宮殿を「両刃斧の家」と解釈することはアーサー・エヴァンズの想像力の産物である〔W.H.D. Rouse, "The Double Axe and the Labyrinth" ''The Journal of Hellenic Studies'' 21 (1901), pp. 268-274, による批判。この中で、新たに発見されたファイストスの宮殿で同様のシンボルが見つかったことにも言及している (p. 273)。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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