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セクシャルハラスメント()は、日本語で「性的嫌がらせ」という意味で用いられる言葉である。セクシュアルハラスメントともいう。日本では、略してセクハラと言われることもある。 以下では特に断り書きがない限り、主に日本での事例について述べる。 == 概念の起源と普及 == 「セクシャルハラスメント」は1970年代初めにアメリカの女性雑誌『Ms』の編集主幹でラディカル・フェミニストのグロリア・スタイネムらが作り出した造語とされる(裁判所による法律との整理は、1960年代から始まっていると主張する学者もいる〔『裁判と社会―司法の「常識」再考』著:ダニエル・H・フット 訳:溜箭将之 NTT出版 2006年10月 1ISBN:9784757140950〕)。 アメリカでは1986年に合衆国最高裁判所がヴィンソン対メリター・セービングス・バンクの裁判で初めて、セクハラ行為が人権法に違反する性差別であると認められた。 日本では、1980年代半ば以降に使用されるようになった。1986年(昭和61年)に起きた西船橋駅ホーム転落死事件で、加害者の女性を支援する女性団体がセクハラという言葉を使い出した。しかしこのときは酔っ払いと、それに絡まれた加害者の女性との間で起きた偶発的な刑事事件ということもあったが、セクハラという概念も言葉もあまり広がらなかった。 1989年8月に福岡県の出版社に勤務していた晴野まゆみが上司を相手取りセクハラを理由とした日本初の民事裁判を起こした。職場を舞台にした上司と部下との間で起きた事件ということで普遍性があり、これまで日本の職場でセクハラと意識されず、何気なく行われて来た女性に対する行為や発言がセクハラになるのかといった身近な話題となり、テレビや雑誌で盛んに扱われた。こうして、1989年の新語・流行語大賞の新語部門・金賞を「セクシャルハラスメント」が受賞。授賞式で表彰されたのは、2年前の1987年に裁判を終えている西船橋駅ホーム転落死事件の弁護士だった。これは1989年の流行語のきっかけとなった福岡県のセクハラ訴訟が当時は係争中で決着していなかったためである(民事裁判は1992年に原告である晴野側の全面勝訴によって決着した)。 その後、セクハラは一過性の流行語で終わらずに、 * 1994年に問題化した就職氷河期の新卒女子へのセクハラ面接。 * 1996年に巨額の訴訟で話題になった米国三菱自動車セクハラ事件。 * 1997年4月からAIU保険会社日本支社が発売開始したセクハラ保険。 など、1990年代を通じて日本語として浸透、定着していった。また1992年に晴野まゆみが上司を相手取りセクハラを理由とした裁判で全面勝訴し、今日のセクハラ防止ガイドラインが生まれる起爆剤にもなった。 対象・被対象者の性別については、男性から女性のセクハラのみならず、女性から男性、また女性から女性〔『女性同士でセクハラ…グアムの日系子会社、24万ドル和解』2008年3月27日付配信 読売新聞〕'など、同性愛を伴う性的嫌がらせもセクハラになる。さらに、従来は半ば公然と行われてきた「体育会系」の雰囲気の中で行われる男性から男性への性的いじめ〔誠昇会北本共済病院事件 〕も、セクハラと認められるようになった。 政府などの対応としては、男女雇用機会均等法の1997年改正で性的嫌がらせへの配慮を盛り込み、2007年の改正で範囲を拡大、男性への性的嫌がらせも配慮の対象としている。ただし、(女性への雇用機会均などと比べ)官庁、政治家、裁判所ともにあまり厳罰に処そうといった考えはなく、性的嫌がらせを性差別としては扱っていないという〔。 一方で仕事や人間関係で対立していたり、自分が気に食わない人間を陥れるためにセクハラをでっちあげ、悪質な場合は痴漢冤罪(虚偽告訴罪)などで貶める事例も存在する〔東大阪市保健センター減給処分事件 (リンク先ではX市となっているが、報道では東大阪市であることが明らかとなっている)〕〔テクモセクハラ冤罪裁判 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「セクシャルハラスメント」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Sexual harassment 」があります。 スポンサード リンク
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