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リチウム・空気電池(リチウムくうきでんち)または金属リチウム-空気電池とは、金属リチウムを負極活物質とし、空気中の酸素を正極活物質とし、充放電可能な電池を指している。一次電池、二次電池、燃料電池を実現可能である。原型は米国で特許となっており(米国特許第5510209号)、その後、日本で改良した別方式を開発した(後述)が、いずれも実用化は未だされていない。 負極は金属リチウムと直結し、正極には空気が触れる。リチウムと空気(酸素)の化学反応を電力とする。 == 概要 == 金属-空気電池の化学的な組み合わせ(Table 1)においてリチウム空気電池は放電時のリチウムと酸素からLiOから4Li + O → 2LiOの収率によると最も魅力的で開放電圧は2.91Vで理論的に貯蔵できる単位重量あたりのエネルギーは5200 Wh/kgである(リチウムイオン二次電池は1000Wh/kgに満たない)。実際には酸素は空気から得られるため、宇宙・水中など特別な場合を除き、蓄電池に貯蔵する必要がないため実効的な性能は更にあがる。酸素を除いた理論的な貯蔵できるエネルギーは11140 Wh/kgである。 放電できる電池の反応と電池に付属した電圧の認められる放電実験データで試験した電池は以下: 2Li + O → LiO; Go = -145 Kcal (Eo = 3.1 V) 4Li + O → 2LiO; Go = -268 Kcal (Eo = 2.91 V) Abraham達は市販のラマン分光計を使用していたので主な放電反応での酸化還元反応は酸素からLiOである。 AbrahamとJiangは炭素電極に錯体またはコバルトのような酸化金属の触媒を含ませることで充電可能なリチウム空気電池を実演した。触媒によって過電圧以下でのLiOやLiOから金属リチウムと酸素への酸化還元反応が見られた。 非水系金属空気電池は潜在的に超高エネルギー密度で民生用に電力源として使用しやすい。完全に開発された時、これらの電池は1000Wh/kg(3.6MJ/kg)の実用的な電力源として期待される。 Abraham達は同様にマグネシウム・空気電池を30PVdF-HFP-62.5 EC/PC-7.5Mg(ClO)と20℃での導電率が1.2x10 S/cmの導電性高分子による電解質と組み合わせることで成り立つ事を示した。このMg/O 電池は室温で約1.2 Vの開放電圧を示し、理論上の電圧である2.93 Vよりも低く、放電電圧は0.7から1.1Vである。 リチウム・空気電池は一種の燃料電池であり、金属リチウムを負極側に補給すれば放電性能を維持することができる。すなわち“充電”作業を行う代わりに、正極生成物と負極材料をその都度入れ替えれば発電を維持可能であり、一種の燃料電池となる。しかし金属燃料は流体ではないので、電池パック内の複数の電池セル毎に負極だけを交換したり正極側電解液だけを交換することは困難であり、電池パックごとの交換になる(水素燃料電池は水素だけを補給すればよく、また生成物の水だけを排出できる)。 よって、電気自動車での使用において、以下の利点が考えられる。 電気自動車よりも消費電力が少ないノートパソコン、携帯電話やPDA等では充電拠点を不要とする代わりに効果的にリサイクルできるか課題となる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「リチウム・空気電池」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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