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リチウム塩(リチウムえん、略号Li)は、化学的なリチウムの塩で、実際には炭酸リチウムやクエン酸リチウムの形態をとり、主に双極性障害に用いられる気分安定薬である。日本では1980年より商品名リーマス、ヨシトミなどで販売され、適応は「躁病および躁うつ病の躁状態」である。日本うつ病学会の双極性障害の診療ガイドラインでは、躁病エピソードだけでなく、うつ病エピソード、維持にも推奨されている〔。他の気分安定薬と比べ、自殺を含めた総死亡率が低いことが特徴である〔。なお双極性障害II型の維持では証拠が少なく使用はケースによる〔。 薬事法における劇薬である。リチウムは過剰摂取のリスクが高く、治療薬物モニタリングが必要であり、世界保健機関のガイドラインでは血液検査が可能な場合に限っての治療選択肢となっている〔。 リチウム塩の使用は1949年にオーストラリアの精神科医、ジョン・ケイドによって、偶然に動物に対する効果を発見したのちに開発された。1954年にデンマークの精神科医がケイドの発表が正しいことを認め、以降ヒトに対する使用が開始された。 ==歴史== 1949年に、オーストラリアの精神科医ジョン・ケイドによって躁病患者にリチウム塩が試された。この発見をもって、精神薬理学の誕生とされるが、リチウムは安価で商業的な関心を生まず、1952年のクロルプロマジンの発見と誕生年とすることもある〔、MANIA: A Short History of Bipolar Disorder, 2008〕。 ジョン・ケイドは、躁病は体内物質の中毒によって起こると考え、患者の尿をモルモットに注射し毒性が強いことを見出し、含まれる有害物質が尿酸であると考え、このため水溶性の高い尿酸塩として尿酸リチウムをモルモットに投与したところ、今度はモルモットを静穏させた〔。 そこで、躁病、うつ病、統合失調症の患者へ、リチウムの投与を試み症状の改善を見出いしたのである〔。デンマークのStromgrenが、ケイドの論文に興味を示し臨床研究を開始し、またスコウは1954年に二重盲検法による躁病への有効性を報告した〔。 当初オーストラリアでの発見のため情報が伝わりにくかったが、治療法のなかった躁病の治療薬として注目された〔。日本では1967年ごろから研究されるようになったが、厚生省による承認は1980年である〔。 次に続くような躁病への研究報告は、日本でのカルバマゼピンの1979年であり、次第にうつ病への有効性も示したことから、次第にこうした薬に対して、気分安定薬の語が用いられるようになった〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「リチウム塩」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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