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リュコス()は、ギリシア神話の人物である。「狼」の意味。主に、 *ヒュリエウスの子 *上記リュコスの子孫 *パンディーオーンの子 *ダスキュロスの子 のほか数名が知られている。以下に説明する。 == ヒュリエウスの子 == このリュコスは、ヒュリエウスとニュムペーのクロニエーの子で、ニュクテウスと兄弟〔アポロドーロス、3巻10・1。〕。あるいはスパルトイのクトニオスの子。妻はディルケー〔アポロドーロス、3巻5・5。〕。一説に最初にニュクテウスの娘アンティオペーを妻とし、後にディルケーと結婚した〔ヒュギーヌス、7。〕。 リュコスとニュクテウスはプレギュアースを殺したためエウボイア島から逃れてボイオーティアのヒュリアーに住んだが、テーバイ王のペンテウスによってテーバイに迎えられた。その後リュコスは軍の最高指揮者に選ばれ、テーバイ王ラブダコスがディオニューソスに滅ぼされたときに王位を簒奪した。後にニュクテウスの娘アンティオペーがゼウスの子を身ごもり、父を恐れて逃げ、シキュオーンのエポーペウス王と結婚したとき、ニュクテウスはリュコスにエポーペウスとアンティオペーを罰するよう頼んで自殺した。そこでリュコスはシキュオーンを攻めてエポーペウスを殺し、アンティオペーを捕らえた。アンティオペーは連行される途中、密かに双子の兄弟ゼートスとアムピーオーンを出産して捨てた。リュコスとその妻ディルケーはアンティオペーを虐待したが、2人は後に成長したゼートスとアムピーオーンに殺された〔。しかしリュコスはヘルメースに止められて殺されなかったともいわれる〔ヒュギーヌス、8。〕。 パウサニアスによると、リュコスはニュクテウスがエポーペウスとの戦いに敗れて死ぬと、遺言に従ってラブダコスの後見となり、エポーペウスを攻めようとした。しかしエポーペウスも戦いの傷が原因で死に、新しいシキュオーンの王ラーメドーンはアンティオペーを引き渡した。リュコスはラブダコスが成長すると王権をラブダコスに返したが、ラブダコスは幼いラーイオスを残して死んだため、再びリュコスはラーイオスの後見を務めた。そしてその頃にゼートスとアムピーオーンがテーバイを攻撃し、リュコスは戦いに敗れたという〔パウサニアス、2巻6・2~6・3、9巻5・5~5・6。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「リュコス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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