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リュコメーデース()は、ギリシア神話の人物である。トロイア戦争当時のドロプス人の王で、スキューロス島に王宮を構えていた。彼は、少年時代のアキレウスを女装させて彼の王宮に匿ったことと、彼に庇護を求めた晩年のテーセウスを害したことで知られる〔Grimal, p.263。〕。 長母音を略してリュコメデスとも呼ばれる。 == 概説 == === アキレウスを匿う === トロイア戦争の英雄アキレウスは、ペーレウスと海の女神テティスの子であるが、テティスはアキレウスがトロイア戦争に参加すれば、必ず若くして戦死する運命にあることを知っていた。アキレウスを死なせないため、テティスはスキューロス島の王であるリュコメーデースに頼み、アキレウスを匿い、ギリシア軍が彼を見いだせないように秘匿することを依頼する〔 〔アポロドーロス、巻三-8-8。〕 〔『ギリシア・ローマ神話辞典』、p.303。〕 〔呉茂一『ギリシア神話』、p.256。〕。 リュコメーデースは預かった9歳のアキレウスに少女の衣服を着せ、王宮の後宮にあって彼を娘の王女たちのあいだに隠した。アキレウスはリュコメーデースの王女たちと共に少女として育ち、王宮ではピュラーと云う女性名で呼ばれた。また彼は、イッサ(Issa)、あるいはケルキュセラー(Kerkysera)云う名で呼ばれたともされる〔 〔『ギリシア・ローマ神話辞典』、p.52。〕。 しかしトロイア戦争においてギリシア軍は苦戦し、アキレウスの参戦が望まれた。オデュッセウスは、彼がリュコメーデースの王宮に乙女に扮して隠れていることをつきとめ、策を講じてアキレウスの正体を顕した。アキレウスは王女デーイダメイアと男女の関係になっており、一子ピュロスをもうけていたが、トロイア戦争に参戦した〔。ピュロスは後にネオプトレモスと呼ばれるようになる〔 〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「リュコメーデース」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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