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ルースカヤ・プラウダ(ルーシ法典)(または、)はキエフ・ルーシ期の法令集である。収集された条文は数段階を経て補追されたものであり、内容的には刑法、相続法、商法、訴訟法等に関する条項を含んでいる。歴史学的史料としては、特にキエフ・ルーシ期の法律、社会、経済等の面において、『原初年代記』と並ぶ主要な文献史料に位置づけられている。 (留意事項) *本頁の歴史的用語の「カタカナ表記」は、便宜上、現代ロシア語からの転写に統一した。ウクライナ語、ベラルーシ語、古典スラヴ語による表記は他言語版リンクや参考文献中のサイト等を参照されたし。 *歴史的用語の「訳語」のうち、「#」の付いたもの(特に2単語以上からなる単語に付した)はロシア語の直訳であることに留意されたし。「カタカナ表記」・「訳語」共に日本語文献による出典の有無については脚注を参照されたし。 *条文はミハイル・スヴェルドロフ(ru)による現代ロシア語への対訳(「簡素本」:、「拡大本」:)に基づく。 ==構造== 『ルースカヤ・プラウダ』は数段階の条文追加を経た法令集であるが、その最も原型たる編纂本は発見されていない。キエフ・ルーシ期より後世の写本のみが残されており、現存する写本は15世紀から17世紀にかけてものが多くを占めている。102の写本が発見されているが〔和田春樹『ロシア史』p51〕、写本間での表現の異なる個所も多く、解釈に関する論争の元ともなっている〔「ルスカヤ・プラウダ」 // 『 ロシアを知る辞典』p797 - 798〕。また、原本には条文に対し条文番号がふられているわけではなく、条項の数にもやや諸説ある。 現存する『ルースカヤ・プラウダ』の諸本は2系統に分類される。すなわち、43ヶ条(42条ともみなされる)からなり、「簡素本」と呼ばれる写本群と、この43ヶ条を修正し且つ新たな条項を追加した、121ヶ条からなる「拡大本」と呼ばれる写本群の2系統である〔。さらに、「拡大本」と他の史料とを底本として編纂された「簡略本」が存在したと想定されている〔。 この「簡素本」・「拡大本」の条文は、増補時期等によって以下の分類がなされる。 「簡素本」の構造 *第1条 - 第18条:「ヤロスラフの法典〔(ru)」 *第19条 - 第41条:「ヤロスラフの子らの法典〔」 *第42条:ヴィーラの過程#(ru) - ヴィルニク(人命金徴収者〔田中陽兒『世界歴史体系 ロシア史 1 -9世紀〜17世紀-』p122〕)と呼ばれたクニャージ(公)の従僕(実質的に官吏)による、ヴィーラと呼ばれた賠償金を徴収する手順を規定した条項。徴収者に対し、食料など供出する物資(賠償金以外の)について規定されている〔楢原学「ロシアの市場経済化と法文化」p97〕。 *第43条:モストニクへの支払い# - モストニク(。丸太による舗装道路()や橋()を建設する者。)に対する労働報酬を規定した条項〔田中陽兒『世界歴史体系 ロシア史 1 -9世紀〜17世紀-』p101〕。 「拡大本」の構造 *第1条 - 第51条:「ヤロスラフの子らの法典の改定法典〔」 *第52条 - 第66条:「ウラジーミル・モノマフの法規〔」 *第67条 - 第121条:その他の法令〔 「簡略本」の構造 「拡大本」の抜粋に他の条文を加味したものであり、全50条から成る。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ルースカヤ・プラウダ (キエフ大公国)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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