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レーソス(, )は、ギリシア神話の人物で、トラーキアの王である。長母音を省略してレソスとも表記される。 エーイオネウスの子で、従弟にヒッポコオーンがいたとも〔『イーリアス』10巻。〕、トラーキアの河神ストリューモーンとムーサイの1人エウテルペー、あるいはカリオペーの子〔アポロドーロス、1巻3・4。〕、テルプシコラー〔ビューザンティオンのアリストパネース(『ミューズ 舞踏と神話』p.114)。〕、クレイオーの子ともいわれ〔エウリーピデース『レーソス』古註、346(『ミューズ 舞踏と神話』p.114)。〕、エウリーピデースの悲劇『レーソス』では母親は単にムーサとされている。一説によると、レーソスはトラーキアのヘブロス河(現在のマリツァ川)下流域のアイニオス人の王とされ〔ヒッポナクス断片、41(『ミューズ 舞踏と神話』p.114)。〕、河神ヘブロスが父であるともいわれる〔ウェルギリウス『アエネーイス』古註、1巻409(『ミューズ 舞踏と神話』p.114)。〕。またレーソスはアルガントーネーを妻にしたといわれる〔パルテニオス、36(『ミューズ 舞踏と神話』p.117)。〕。 トロイア戦争のさい、レーソスはトラーキア勢を率いてトロイアの救援に向かったが、トロイアに到着したその夜にディオメーデースによって討たれた。 == 神話 == ===誕生=== エウリーピデースによるとレーソスの誕生は次のとおりである。ムーサイがトラーキアの楽人タミュリスと歌比べの競技をするためにパンガイオン山に向かっていたとき、女神の1人がストリューモーン河を渡るさいに河の神と契った。この結果誕生したのがレーソスである。その後ムーサがレーソスをストリューモーンのところにつれてくると、ストリューモーンはレーソスをニュムペーに育てさせた。さらにレーソスが長じると、トロイアの王子ヘクトールがパンガイオン山とパイオニアでトラーキア諸部族を討ち、レーソスをトラーキアの王とした〔エウリーピデース『レーソス』。〕。レーソスが育ったストリューモーン河畔は古来より金の産地として知られ、こうしてレーソスは黄金の豊かな土地の王となった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「レーソス」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Rhesus of Thrace 」があります。 スポンサード リンク
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