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レダと白鳥(レダとはくちょう) は、ギリシア神話の主神ゼウスが白鳥に変身し、スパルタ王テュンダレオースの妻であるレダ(レーダー)を誘惑したというエピソードをもとにした、西洋の彫刻や絵画などにおける題材(モチーフ)。 ギリシア神話では、レダは、カストールとポリュデウケース(ポルックス)のディオスクーロイの双生児、後にミュケーナイ王アガメムノーンの妃となったクリュタイムネーストラー、トロイア戦争の発端の一つとなった絶世の美女ヘレネーの母である。一説では、カストールとクリュタイムネーストラーは人間の夫テュンダレオースの子で、ポリュデウケースとヘレネーは神であるゼウスの子だとされるが、これには色々な説がある〔ヘレネは義憤の女神ネメシスの娘とされるなど、神話のヴァージョンによる異説あり。〕。 このモチーフは古代ローマ時代の大規模な作品ではあまり見られず、彫刻ではティモセオス (en:Timotheos) の立像彫刻が有名な程度で〔Malcolm Bull, ''The Mirror of the Gods, How Renaissance Artists Rediscovered the Pagan Gods'', Oxford UP, 2005, ISBN 0195219236〕〔Bull p. 167. See External links for examples〕、他にはカメオ、宝石、指輪、テラコッタ・オイル・ランプなどの小さな装飾に用いられている。古代ローマの詩人オウィディウスや作家フルゲンティウス (en:Fabius Planciades Fulgentius) の作品によって、中世ヨーロッパでレダと白鳥のエピソードはよく知られており、イタリアルネサンス期の古典的官能表現とともに広く取り上げられるモチーフとなった。多くの芸術家が独自の『レダと白鳥』を描いており、詩人のイェイツも『レダと白鳥』(''Leda and the Swan'')〔http://ebooks.gutenberg.us/WorldeBookLibrary.com/ytthto.htm#1_0_12〕という詩を書いている。 == 性愛描写 == 「レダと白鳥」という題材は、男女間の性愛よりも女性と白鳥の性愛を描いた絵画のほうがまだしも好ましいとする、現在の考えからすると奇妙にも思える16世紀の風潮によって広まった。この題材で最初期に描かれた絵画の性愛描写は、当時の優れた画家たちが男女間の性愛を描いたどの絵画よりも露骨な性愛描写を伴うことがあった〔Bull p 167〕。性愛を扱った版画である『イ・モーディ』が発表から数年後に、ローマ教皇庁から製作者の投獄、原版の破棄を命じられたことからも分かるように、その当時は男女間の性愛を描写することは危険な行為だったのである。ルネサンス期になっても性愛描写は危険を伴うものであり、それはレダと白鳥をモチーフに描かれた、三枚の有名な絵画がたどった運命からも明らかである(後述)。 このテーマが描写された最初期の作品は、大部分がヴェネツィアで作製された版画だった。私的に所蔵されていたもので、古代ローマの詩人オウィディウスの『変身物語』の記述を元にしている作品が多い。また、ロレンツォ・デ・メディチは古代ローマ時代のサルコファガスと宝石を所蔵しており、そのどちらにも寝そべったレダのモチーフが使われている〔Bull p167〕。 このモチーフを描いたルネサンス初期の作品として知られているのは、1499年に出版された『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』の挿絵に使われた木版画である。この木版画には、勝利の車 (Triumphal car) を牽く人々など数多くの人が周囲にいるにもかかわらず、その車の中でレダと白鳥が情熱的に愛を交わす様子が描写されている〔Page 166 - Hypnerotomachia Poliphili 〕。また、版画家のジョヴァンニ・バッティスタ・パルンバが1503年ごろにレダと白鳥の性愛描写をモチーフにした版画を製作しており、これは人目のない田園での情景として描かれている〔Misattributed to Hans Baldung, near the bottom here 〕。他にもジュリオ・カンパニョーラ (en:Giulio Campagnola) の作であると考えられている版画があり、この作品ではレダの様子ははっきりとは描かれていない〔Bodkin Prints - Product details 〕〔Not a woodcut, as Bull (p169) wrongly says (see Hind BM catalogue,The Illustrated Bartsch etc); nor is his view of Leda's expression the only one.〕。パルンバには、レオナルド・ダ・ヴィンチの習作の影響を受けて1512年ごろに製作したと見られる、地面に座って子供たちと遊ぶレダの版画もある〔The Metropolitan Museum of Art - Special Exhibitions: Poets, Lovers, and Heroes in Italian Mythological Prints 〕。 絵画や版画だけでなく、小さな装飾品などにもこのモチーフは用いられている。ベンヴェヌート・チェッリーニは芸術家としての活動初期にメダルを製作しており、その表面にアントニオ・アボンディオ (en:Antonio Abondio) が彫刻をしてローマの公妾に奉げたものが、現在もウィーンに残っている〔Abondio, NGA Washington 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「レダと白鳥」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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