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ロケッテン (rocketene) とは、有機化合物の一種で、ベンゼン環にシクロプロパン環とシクロブタン環が1個ずつ縮合した構造を持つ3環性炭化水素。立体的なひずみを持つベンゼン誘導体として合成、研究された化合物だが〔総説: Halton, B. "Cycloproparenes." ''Chem. Rev.'' 2003, ''103'', 1327–1370. - シクロプロパン誘導体の総説で、ロケッテンについての記述がある。〕、その独特の構造がロケット (rocket) を思わせることからいつしかロケッテンと呼ばれるようになった。 == 合成 == 1975年に2つの研究グループから、ロケッテンの合成について独立した報告が行われた。 Davalian らは、1,3-ブタジエンとマレイン酸ジエチルのディールス・アルダー反応から出発して、6段階でロケッテンを得た。その中で、3員環はジクロロカルベンの二重結合への付加、4員環は光による電子環状反応により構築した。全収率は約 5% であった〔Davalian, D.; Garratt, P. J. "Cyclopropabenzocyclobutene." ''J. Am. Chem. Soc.'' 1975, ''97'', 6883–6884. ; Davalian, D.; Garratt, P. J.; Koller, W.; Mansuri, M. M. "Strained aromatic systems. Synthesis of cyclopropabenzocyclobutenes, cyclopropanaphthocylobutenes, and related compounds." ''J. Org. Chem.'' 1980, ''45'', 4183–4193. 〕。 Vollhardt らは、1,5-ヘキサジインと 3-メトキシ-1-トリメチルシリルプロピンからコバルト錯体を触媒として環化により対応するシクロブタベンゼン誘導体を作り、シリル基を臭素に変換した後に ''n''-ブチルリチウムによる脱離反応(収率 5%)によりロケッテンを得た〔Seward, C. J.; Vollhardt, K. P. C. "1,2-Cyclopropa-4,5-cyclobutabenzene. A novel strained benzene derivative". ''Tetrahedron Lett.'' 1975, ''16'', 4539–4542. 〕。この手法は、後に Stang ら、さらに Halton らによる基質、条件の改良が施された〔McNichols, A. T.; Stang, P. J. "An Improved Synthesis of Cyclopropabenzocyclobutene (Rocketene)." ''Synlett'' 1992, 971–972. 〕〔Halton, B.; Dixon, G. M. "Diphenylmethylidenecyclobutacyclopropabenzene: Synthesis and Spectral Characterization." ''Org. Lett.'' 2002, ''4'', 4563–4565. DOI: 10.1021/ol027161n 〕。改良後のロケッテンの合成経路を下に図示する。 1,5-ヘキサジインと 3-(トリメチルシリロキシ)-1-(トリブチルスタンニル)プロピンをコバルト錯体により環化させ、''n''-ブチルリチウムによる脱離反応でロケッテンが得られる。脱離反応の収率の大幅な向上 (65%) は、脱離基を変えたことでもたらされたものである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ロケッテン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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