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ロマネスク(英: romanesque)は、建築、彫刻・絵画・装飾、文学の様式の一つ。建築用語および美術用語としては、10世紀末から12世紀にかけて西ヨーロッパに広まった中世の様式を指し、この記事ではそれについて述べる。文芸用語としては、「ロマン(仏: roman)」から派生し、奔放な想像力によって現実の論理・事象の枠を飛び越えた幻想的な性質を指す〔「ロマネスク」(『日本国語大辞典』小学館);「ロマネスク」(『日本大百科全書』)〕。 == 概要 == 美術様式としてのロマネスク(英:romanesque / 仏:ロマン roman / 独:ロマーニク Romanik / 伊:ロマーニコ romanico)という名称は、コーモン(:en: Arcisse de Caumont)などフランスの考古学者によって命名され、ゴシック建築に先行する10世紀末〜12世紀の中世建築様式を指す。 彼らは、この時代の建築に半円アーチや重厚な壁体、ボールトを用いるといった共通の特徴を見出した。そしてそれが尖頭アーチやリブ・ボールトを用いてそびえ立つゴシック建築とは大きく異なっており、古代ローマ建築の影響を色濃く残すものだと考え、これに「ロマネスク」(ローマ風の)の名を与えた。ラテン語を起源とする西ヨーロッパ諸語はロマン語(ロマンス諸語)と呼ばれることがあるため、これにならった呼び名である〔Eric Fernie, et al. "Romanesque." (''Grove Art Online.'' Oxford UP, Web. 29 Nov. 2012).〕。 この時代に広まった美術全般の研究が進むにつれて、「ロマネスク」の言葉は建築にとどまらず絵画や彫刻にも適用されるようになる。同時にその内容が古代ローマ美術の継承にとどまらず、ケルトやゲルマンの芸術要素、さらにはビザンティン、イスラーム、そしてエジプトやシリアなど東方キリスト教美術の影響も受け継いでいることが指摘されるようになる。また地理的範囲も「ロマンス諸語」が意味するところとは大きく異なり、南フランスやイタリアのみならず、ドイツや北フランス、ノルマンディーやイギリスにも広がっていることが確認されている〔アンリ・フォション『ロマネスク』神沢栄三ほか訳、鹿島出版会、1976〕〔Lawrence Nees, ''Early Medieval Art (Oxford History of Art),'' Oxford UP, 2002.〕。 ロマネスク美術は宗教美術が中心で、宗教建築、とりわけ修道院が主導的な役割を果たした。ゴシック美術の中心が都市の大聖堂であるのに対して、ロマネスクは修道院の芸術だとしばしば言われる。代表的な建築の多くは修道院の教会堂であり、それを飾るための彫刻や絵画が制作されたほか、またエマイユ(七宝)や金工品、ステンドグラス、ミニアチュール(写本画、細密画)などが修道院で作られた〔エミール・マール『ロマネスクの図像学』田中仁彦ほか訳、国書刊行会、1996〕〔C. R. Dodwell, ''Painting in Europe, 800–1200 (Pelican History of Art),'' Yale UP, 1993.〕。 大きな修道院は、当時の封建社会において大小の領主から土地を寄進された大土地所有者であり、有力な王侯貴族と密接な関係があった。とくにドイツでは、オットー朝やザリエル朝の諸帝の保護のもとに初期ロマネスク美術が形成されたため、これをオットー美術としてロマネスク美術から区別する研究者もいる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ロマネスク」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Romanesque art 」があります。 スポンサード リンク
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