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物理学において、ワイトマンの公理系(Wightman axioms)(ガーディング・ワイトマンの公理系(Gårding–Wightman axioms)ともいう〔)〕)とは場の量子論を数学的に厳密に定式化する試みの一つである。(Arthur Wightman)は、1950年代初期には既にこの公理系を定式化していたが、実際に出版されたのはがその重要性を認めた後、1964年のことである。 ワイトマンの公理系は構成的場の理論の文脈で議論され、場の理論の厳密な扱いの基礎と、摂動的な手法の厳密な基礎を提供することを意図している。ミレニアム問題のひとつ(ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題)には、ヤン-ミルズ理論においてワイトマン公理系を確立することが含まれている。 ==理論的根拠== ワイトマンの公理系の出発点となるアイデアの一つは、ポアンカレ群のユニタリ表現をなすヒルベルト空間の存在である。これにより、(ローレンツ・ブーストと対応して)エネルギー、運動量、角運動量、重心の概念が確立される。 また、のスペクトルを正エネルギー側の光円錐(とその境界)に限定するという安定性条件がある。しかし、これはを満たすには不十分である。このためワイトマンの公理は、共変なをなす量子場と呼ばれる位置依存作用素を導入する。 場の量子論は紫外発散の問題があるので、時空のある点における場の値はうまく定義できない。これを回避するためにワイトマンの公理では、テスト函数の上に「なすりつける」(smearing over a test function)ことで〔ディラックのデルタ関数のように、ある点で無限大になる関数もある領域に渡って積分すると特異性が緩和され有限になる場合がある。このように、発散量を直接扱う代わりに、その積分を考えること。〕、自由場でさえ発生する紫外発散の問題を取り扱う考え方を導入した。公理系は非有界作用素を扱うので、作用素の定義域を指定する必要がある。 ワイトマン公理系は、空間的(spacelike)に分離された場の間に可換性または反可換性を課すことにより、理論の因果構造を制限する。 また公理系は、真空と呼ばれるポアンカレ不変な状態が存在すること、それが一意的であることを要求する。さらに、公理系は真空が「サイクリック」であることを仮定する。言い換えると、「なすりつけた(smeared)」場の演算子が生成する多項式環の元を真空に作用させると一般には真空とは異なる状態ベクトルが得られるが、このようにして得られるベクトルを全て集めた集合が全ヒルベルト空間の稠密な部分集合をなすと仮定する。 最後に、素朴な因果律の制限が課される。すなわち、「なすりつけた」場の任意の多項式は、台(support)の因果的閉包がミンコフスキー空間全体となるようなテスト関数になすりつけた場の多項式によって、(弱位相の意味で)任意の精度で近似できると仮定する。 'quantum fields'' which form covariant representations of the Poincaré group. Since quantum field theory suffers from ultraviolet problems, the value of a field at a point is not well-defined. To get around this, the Wightman axioms introduce the idea of smearing over a test function to tame the UV divergences which arise even in a free field theory. Because the axioms are dealing with unbounded operators, the domains of the operators have to be specified. .--> ワイトマン公理系は、空間的(spacelike)に分離された場の間に可換性または反可換性を課すことにより、理論の因果構造を制限する。 また公理系は、真空と呼ばれるポアンカレ不変な状態が存在すること、それが一意的であることを要求する。さらに、公理系は真空が「サイクリック」であることを仮定する。言い換えると、「なすりつけた(smeared)」場の演算子が生成する多項式環の元を真空に作用させると一般には真空とは異なる状態ベクトルが得られるが、このようにして得られるベクトルを全て集めた集合が全ヒルベルト空間の稠密な部分集合をなすと仮定する。 最後に、素朴な因果律の制限が課される。すなわち、「なすりつけた」場の任意の多項式は、台(support)の因果的閉包がミンコフスキー空間全体となるようなテスト関数になすりつけた場の多項式によって、(弱位相の意味で)任意の精度で近似できると仮定する。 ' which form covariant representations of the Poincaré group. Since quantum field theory suffers from ultraviolet problems, the value of a field at a point is not well-defined. To get around this, the Wightman axioms introduce the idea of smearing over a test function to tame the UV divergences which arise even in a free field theory. Because the axioms are dealing with unbounded operators, the domains of the operators have to be specified. .--> ワイトマン公理系は、空間的(spacelike)に分離された場の間に可換性または反可換性を課すことにより、理論の因果構造を制限する。 また公理系は、真空と呼ばれるポアンカレ不変な状態が存在すること、それが一意的であることを要求する。さらに、公理系は真空が「サイクリック」であることを仮定する。言い換えると、「なすりつけた(smeared)」場の演算子が生成する多項式環の元を真空に作用させると一般には真空とは異なる状態ベクトルが得られるが、このようにして得られるベクトルを全て集めた集合が全ヒルベルト空間の稠密な部分集合をなすと仮定する。 最後に、素朴な因果律の制限が課される。すなわち、「なすりつけた」場の任意の多項式は、台(support)の因果的閉包がミンコフスキー空間全体となるようなテスト関数になすりつけた場の多項式によって、(弱位相の意味で)任意の精度で近似できると仮定する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ワイトマンの公理系」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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