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ワインボトル()、ワイン瓶はワインを保管するための瓶で、普通はガラス製である。瓶内で発酵させるワインもあるが、大部分は発酵後に瓶詰めされる。様々なサイズがあり、それぞれには聖書に登場する王などにちなんだ名が付けられている。一般的なサイズは 750ml だが、これは比較的近年になってのことである。ワインボトルは通常コルクで封をされるが、スクリューキャップ()も一般的になっている。またその他にも封の方法がある。 かつてワインボトルの形状は、底が広く安定感のあるものが主だった。現在のように背が高く底面積に対して細長い形状になったのは、18世紀末の1790年代である。これはワインを船舶などで輸送する機会が増えたため、積載や貯蔵の利便性を重視した結果であると言われている。その一方、ワインの主産地であるフランスのボルドーやブルゴーニュでは、貯蔵環境やワイン自体の性質の違いに由来するそれぞれのワインボトルが形作られていった。また、ワインの産地が一目で分かるようにとあえて個性を残したボトルを採用している土地もある。 == 形状 == ポルトガル、イタリア、スペイン、フランスとドイツなどのワイン生産者は地域の伝統にしたがい、ワインに適した瓶の形状を決めている。 ;ボルドータイプ :ボルドーワイン、ポート、シェリー、では側面が直線で肩が高く、パント(ビン底の凹み、後述)は大きい。いずれのワインも提供時に澱を止めるため、首がくびれている。 ;ブルゴーニュタイプ :ブルゴーニュ、ローヌでは背が高くなで肩で、パントは小さい。これはボルドーワインに比して沈殿物が少ない事による。また、ブルゴーニュではカーヴと呼ばれる地下室にワインを貯蔵していたため、狭い貯蔵庫内に効率的にワインを詰め込む必要があった。なで肩のボトルは互い違いに積み上げて充填できるため、このような形状が好まれたという理由もある〔。 ;ラ・フリュート :ライン(ホックとも呼ばれる)、モーゼル、アルザスで用いられる主に白ワインのボトル。肩がなだらかで細長い。パントは小さいか、無い。 ;ル・クラヴラン :フランスのスイス国境、ジュラ県のワインで使われるボトル。形状はずんぐりしており、容量が 620ml と少し小さい。ジュラのワインも参照。 ;シャンパン用のボトル :シャンパンやその他スパークリング・ワインでは、製造過程において瓶内で二次発酵させる(イタリアのスプマンテを除く)ため、発生した炭酸ガスにより内圧が上昇する。これに耐えるボトルは肉厚ガラスで、太くなで肩である。パントは大きい。 ;フィアスコ :イタリアトスカーナ州のキアンティが採用している。口が細く胴体が丸みを帯びたフラスコのような形状。このボトルには伝統的に藁づとが巻かれている。 ;ペッシェ :イタリアマルケ州のヴェルディッキオなど。魚を意味する細長いボトル。 ;ボックスボイテル :ドイツフランケン地方の高級ワインやポルトガルのマテウスなどで使われる、扁平な形状のボトル。 北米、南米、南アフリカ、オーストラリアといった「ニューワールド」の生産者は、自身のワインに関連づけられる形状の瓶を選ぶ。例えば、カベルネ・ソーヴィニヨンなどを主体としたワインにはボルドータイプのボトルが、ピノ・ノワール単醸のワインにはブルゴーニュタイプの瓶が選ばれることがある。その他の生産者(ヨーロッパ内外とも)にはマーケティング目的でボトルを選ぶ者もある。ペール・アンセルムは半分溶けたような瓶でシャトーヌフ=デュ=パプを出荷している。ドイツのモーゼルランドには飼い猫の形の瓶のリースリングがある。 家庭生産のワインは、製品とは違いあらゆる形状の瓶を使用する。ただし、スパークリング・ワインについては大きな圧力に耐えるため、肉厚の瓶を使用する必要がある。 Image:Margaux94 1.jpg|ボルドータイプ (シャトー・マルゴー) Image:Puligny01.JPG|ブルゴーニュタイプ (ピュリニィ・モンラッシェ Image:Rheingaufloete.jpg|ラ・フリュート (クロスター・エバーバッハ) Image:Chateau Chalon (vin).jpg|ル・クラヴラン (シャトー・シャロン、中央奥) Image:Louis Roederer Cristal Champagne.jpg|シャンパン (クリスタル) Image:Vin Chianti.jpg|フィアスコ (キアンティ) Image:Bocksbeutel bottle.jpg|ボックスボイテル 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ワインボトル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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