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ワロチリ文書(わろちりぶんしょ。英語:''Huarochirí Manuscript''。ドイツ語:''Huarochirí-Manuskript''。現代ケチュア語:''Waruchiri qillqasqa'')は、南アメリカのワロチリ地方のインディオの神話や宗教、伝説を報告した、16世紀の終わり頃にケチュア語で書かれたテキストである。 == 概要 == テキストに記録された神話において主導的な役割を果たすのが、山の神アプ〔他言語版ウィキペディアにおいては、ドイツ語版::de:Apu (Berggottheit)、ケチュア語版::qu:Urqup apun。〕あるいはワカ(:en:huaca)である。 ワロチリ地方においては、ワカであるパリアカカ(''Paryaqaqa'') とワリャリョ・カルウィンチョ(''Wallallu Qarwinchu'')が対抗するが、彼らは民族(ワロチリ、ワンカ)を象徴し、それら民族の守護神となっている。 現地のインディオの昔ながらの信仰を綿密に記述したテキストが独特のものであるため、過去に植民地であったケチュア語圏の文学の重要な記念物の象徴となっている。 しかし、インディオである本来の記録者の名は知られていない。 スペインの司祭フランシスコ・デ・アビラが詳細を記録させているが、キリスト教と異なる宗教を根絶するために記録されたものであり、注釈もつけられて信頼性がある。 文書は、スペインの首都マドリードの王立図書館に、気付かれないまま何世紀もしまわれていた。 1939年、ヘルマン・トリムボルン(de)によるドイツ語訳が発表された。 1966年、ペルーの人類学者ホセ・マリア・アルゲダスは初めてテキストをスペイン語に翻訳し、2ヵ国語併記(ケチュア語とスペイン語)で発表した。
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