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ワンタイムパッド (one time pad, OTP) とは、乱数鍵を1回だけ使う暗号の運用法である。1回限り暗号、めくり暗号とも呼ばれ、情報理論の考案者であるクロード・シャノンが解読不可能であることを数学的に証明した〔Shannon, Claude. "Communication Theory of Secrecy Systems", ''Bell System Technical Journal'', vol. 28(4), pp. 656–715, 1949.〕。 ==概要== 通信量と同じ長さの乱数を使用し、日めくりのように1回使った乱数表は捨てる。例えば1~26の範囲をとる乱数の場合、1つの乱数でアルファベット(A-Z)の1文字を暗号化できる。乱数の秘匿だけで暗号強度を保てるので暗号化/復号がシンプルで、手作業でも処理できる。換字表やコードブックは公知のものでもよいという利点がある。 理論的には、正しく運用された場合に解読不可能となる。たとえ総当たりで解読しようとしても、総当たりで生成される多数の文章(文字列)の中には、送信者が暗号化した文章以外にも、人間が意味を読み取れる文章(文字列)が生成されてしまう。従って、解読者には、送信者自身の文章とそれ以外の人間が意味が読み取れる文章を区別することができず、解読不可能となる。ただし、運用方法の誤りで解読可能となる場合がある。乱数表の流出はもちろんだが、乱数の使いまわしも暗号強度の低下を招くので注意が必要である。たとえば、OTP乱数表の使い回しを元にして解読したのが、「ベノナ」(VENONA)プロジェクトである。戦場で回収された暗号表が米国NSAに回され、OTP乱数表を前線と米国駐在情報官の両方で使った事に気がついた。OTP乱数表といえども2度使えば解読が出来た。その結果ローゼンバーグ夫妻たちのスパイ網が摘発された。冷戦中であり暗号解読の事実をソ連に認知される事を回避するため、暗号解読のことは裁判では全く公開されなかった。冤罪疑惑が残るまま夫妻は死刑になったが、近年、ソ連のスパイである事が確認されるも、夫人は冤罪疑惑が残る。 乱数の作成は想像よりも困難である。数式を使って規則的に作ると、乱数列から元の式が再現される可能性がある。人が無作為に選択してもその癖が出る。通信量と同じ長さの乱数を作成、配布するのは労力が掛かるので、それに見合う重要通信に用いるのが望ましい。例えば米ソ・ホットライン(テレタイプ)やスパイ通信である。 乱数の配布・保管にも注意が必要である。配布、保存時に裏切り、窃盗、盗写が出来る。また、廃棄後のゴミから復元・再生される事がある。 なお、バーナム暗号と混同される事があるが、ワンタイムパッドを利用しないバーナム暗号もある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ワンタイムパッド」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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