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ヴィテッサ : ウィキペディア日本語版
ヴィテッサ
ヴィテッサ(''Vitessa'' )はフォクトレンダーが製造したレンジファインダーカメラのシリーズである。当初はレンズ固定のスプリングカメラであったが、最終型のヴィテッサTのみレンズ交換可能になり、スプリングカメラではなくなった。
135フィルムを使用しフォーマットは24×36mm(ライカ)判。外見上も大きな特徴となっているプランジャーを押し下げるのがフィルム巻上である。この巻上はその後一般的になって行く、ラチェットの入った巻上レバーを回転させるいわゆるレチナ式が一般的になる前に各社が考案した迅速巻上方式の一つであり、手袋をつけた状態ではこの方式が一番使いやすいという。発売以来特にアメリカで好評を博し、一時は注文に応じ切れないほどであった〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.72。〕。収納状態からシャッターボタンを押すとプランジャーが飛び出し蛇腹が開くが、この時プランジャーと前蓋に手を添えておかないと衝撃が加わり故障の原因になるので注意が必要である〔『プロ並みに撮る写真術II』p.226。〕〔『別冊ステレオサウンド ヴィンテージカメラセレクション』p.58。〕。レンズの収納時にレンズを押し込む際には、シャッターケースの上下にある赤色の刻印を両手の親指で押し込まないと故障の原因になるので注意が必要である〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.81。〕。内部機構が複雑であり、ベテランも少なく、故障した際の修理には覚悟が必要である〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.81。〕。
== 製品一覧 ==

*ヴィテッサI(''Vitessa I'' 、1950年発売〔『クラシックカメラ専科No.8、スプリングカメラ』p.42。〕〔『別冊ステレオサウンド ヴィンテージカメラセレクション』p.58。〕〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.72は1950年生産開始、1951年発表。〕) - レンズは5群6枚〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕ウルトロン50mmF2〔『別冊ステレオサウンド ヴィンテージカメラセレクション』p.58。〕〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.72。〕。アタッチメントφ32mmカブセ〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕。フィルムの擦り傷を防ぐために巻き上げ時圧板が後退するようになっている〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.72。〕。
*ヴィテッサII(''Vitessa II'' 、1951年発売〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕) - レンズはウルトロン50mmF2。アタッチメントφ34.5mmカブセまたは専用バヨネット〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕。圧板は平凡な固定式となり〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.72。〕、パララックスが自動補正となり〔『別冊ステレオサウンド ヴィンテージカメラセレクション』p.58。〕、吊り輪が装備された〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕。ただしこの分類は公式のものではない〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.79。〕。
*ヴィテッサIII(''Vitessa III'' 、1952年発売〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕) - レンズはウルトロン50mmF2またはカラースコパー50mmF3.5〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕。アタッチメントφ34.5mmカブセまたは専用バヨネット〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕。アクセサリーシューが装備された〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕。ただしこの分類は公式のものではない〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.79。〕。
*ヴィテッサL(''Vitessa L'' 、1953年〔『クラシックカメラ専科No.8、スプリングカメラ』p.43。〕または1954年〔『クラシックカメラ専科』p.93。〕〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.36。〕または1955年〔『クラシックカメラ専科No.8、スプリングカメラ』p.53。〕発売) - レンズはウルトロン50mmF2またはカラースコパー50mmF2.8またはカラースコパー50mmF3.5〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.79。〕。アタッチメントφ34.5mmカブセまたは専用バヨネット〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.78。〕。ベルトラム製のセレン露出計を内蔵した〔『クラシックカメラ専科No.8、スプリングカメラ』p.43、p.79。〕。ライトバリューを採用している〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.79。〕。
*ヴィテッサT(''Vitessa T'' 1957年発売〔『クラシックカメラ専科』p.93。〕〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.21、p.36、72。〕) - 標準レンズはカラースコパー50mmF2.8。デッケルマウントを採用してカラースコパー50mmF2.8の他スコパレット35mmF3.4、ダイナレット100mmF4.8とレンズ交換が可能になっているが、その代わりスプリングカメラでなくなり収納性は悪化した。アタッチメントφ30.5mmねじ込み〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.80。〕。1958年まで生産された〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.72。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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