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『一杯のかけそば』(いっぱいのかけそば)は、栗良平による日本の童話、および同作を原作とした日本映画作品。実話を元にした童話という触れ込みで涙なしには聞けない話として、1989年に日本中で話題となり、映画化される〔宝泉薫「騙り部の泣ける人生 『一杯のかけそば』栗良平」『芸能界一発屋外伝』彩流社、1999年、pp.154-157〕〔小林信彦『現代“死語”ノート〈2〉1977‐1999』岩波新書、2000年、p.110〕など社会現象にまでなったが、実話としてはつじつまの合わない点・作者にまつわる不祥事でブームは沈静化した。 == 経緯 == もともとは作者の栗良平が語り部となって、全国を行脚して口演で披露していた話である。それが1988年に『栗良平作品集2』の一編として書籍となる。出版後、口コミでじわじわと人気が広がり〔、それを共同通信が地方紙に記事を配信し〔「週刊誌記者匿名座談会」『噂の真相』1989年7月号、p.104〕、同年の大晦日にFM東京の『ゆく年くる年』の中で朗読された〔(Internet Archive)〕。 翌1989年1月22日に産経新聞が取り上げ〔、2月17日には衆議院予算委員会審議において公明党の大久保直彦が竹下登首相に対する質疑で当時話題となっていた本作のほぼ全文を朗読・紹介して、リクルート問題に関する質問をし、同じ自民党の金丸信も泣いたということで話題になった〔。 その後、「読む人誰もが涙するという幻の童話」という触れ込みで知る人ぞ知る話として『週刊文春』は全文を掲載し、ワイドショーなどを賑わせ、マスコミで話題となり5月に大きなブームとなる。中でもフジテレビ『タイム3』は中尾彬、武田鉄矢、森田健作などの有名人を迎え、一週間の間を連日「一杯のかけそば」を朗読するまでに至った〔。 ブームの反動として実話という触れ込みで発表されたこの話が実は創作ではないかとの指摘やつじつまが合わないとの批判もなされるようになった〔。上岡龍太郎は「閉店間際なら売れ残った麺がある。店主は事情を察したなら、3人分出すべきだった」と指摘した〔『わたしが上岡竜太郎です 辛口芸人』ブックマン社〕。 ブーム終焉のきっかけとなるのは5月19日放送のフジテレビ『笑っていいとも』で、司会のタモリが「その当時、150円あったらインスタントのそばが3個買えたはず」「涙のファシズム」と作品を批判したことである〔。 その発言と前後して美談の語り部と讃えられていた作者についても美談とは相反するスキャンダルが報じられた〔。滋賀県のローカル紙・滋賀夕刊の5月22日付で「謎? 童話作家の言動」と題して作者が車の借り逃げで捜査対象となったことが報じられ〔「日本中を泣かせた一杯のかけそばドンデン返し 栗良平の詐欺師まがいの過去を暴いたのは地元紙」『噂の真相』1989年7月号、p.7〕、小児科医を詐称して治療費を受け取った疑惑など〔新潮社の『週刊新潮』と『FOCUS』も作者の過去の行状を報じた〔「週刊誌記者匿名座談会」『週刊新潮』1989年8月号、p.104〕。 次第に作者の実生活など作品外の事情にスポットがあたるようになったことから、翌6月頃にはブームが終焉していった〔。 2010年、韓国で「うどん一杯」というタイトルで映画化がされている。また、舞台演劇としても韓国では上演されており、続編も公開されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「一杯のかけそば」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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