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『七段目』(しちだんめ)とは、古典落語の演目の一つ。「ひちだんめ」と読まれることもある。 == あらすじ == 常軌を逸した芝居マニアの若旦那は、家業そっちのけで芝居小屋に出入りしている。私生活もすっかり歌舞伎一色に染まってしまい、何をやっても芝居のセリフになってしまうのだ。例えば、人力車を停めようとするだけでもつい芝居がかってしまい、車の前に飛び出して「そのくるまァ、やァらァぬゥー」〔『菅原伝授手習鑑』、三段目の「車曳の段」〕。 その日も、若旦那が出て行ったっきり帰ってこないので、頭に来た旦那が小言を言ってやろうと待ち構えていると、そこへ何も知らない若旦那が帰ってきた。「遅いじゃないか!?」「遅なわりしは、拙者が不調法」〔『仮名手本忠臣蔵』三段目の判官〕「いい加減にしろ!」とつい殴ってしまい、慌てて謝ると「こりゃこのおとこの、生きィづらァをー」〔『夏祭浪花鑑』の団七〕。あきれた旦那が若旦那を2階へ追い払うと、「とざい、とーざーい」〔「東西声」といい、「忠臣蔵」開幕の前にからくり人形が観客に挨拶する掛け声〕と物凄い声を張り上げる。閉口した旦那は、小僧の定吉に止めてこいと命じる。2階に上がった定吉は、ガラリ戸をあけて「やあやあ若旦那、芝居の真似をやめればよし、いやだなんぞとじくねると…」〔『道行旅路の花聟』の鷺坂伴内〕。どうやら、定吉もかなりの芝居好きのようだ。 そのまま2人で芝居をやろうということになり、選ばれたのは忠臣蔵の『七段目・「祇園一力の場」』だ。定吉がお軽、若旦那が平右衛門をやることにし、定吉を赤い長襦袢と帯のしごき、手拭いの姉さんかぶりで女装させたのはいいが「平右衛門の自分が、丸腰というのは変だ。そうだ定吉、床の間にある日本刀を持っておいで」「え!?」定吉が逃げ出しそうになったので、刀の鯉口をコヨリで結び、下げ緒でグルグル巻きにする若旦那。 芝居を開始するも、「その、頼みという…はな…」だんだんと目が据わってきた若旦那に、嫌な予感を覚える定吉。「妹、こんたの命ァ、兄がもらったッ」コヨリと下げ緒をあっという間にぶっちぎた若旦那が、抜き身を振りかざして定吉に襲い掛かってきた。慌てて逃げ出した定吉は、足を踏み外して階段から転げ落ちてしまう。そこに旦那が駆けつける。 「おい、定吉、しっかりしろ!」「ハア、私には勘平さんという夫のある身…」「馬鹿野郎。丁稚に夫がいてたまるものか。また芝居の真似事か。さては2階であの馬鹿と芝居ごっこをして、てっぺんから落ちたか」「いいえ、七段目。」 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「七段目」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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